なぜ戦略は実行されないのか(第3回)

どうすれば、メンバーをもうひと頑張りさせられるか

2014.05.13 Tue連載バックナンバー

 なぜ戦略は実行されないのか。どうすれば実行できるのか。この3回のシリーズでは、トップの方針と現場のメンバーをつなぐミドル層に焦点を当て、独自データを使って考えます。

 第1回目では、戦略を実行するためのミドルマネジャーのマネジメントには2つの側面が必要だと説明しました。2つの側面とは「戦略のマネジメント」と「人・組織のマネジメント」です。前者はメンバーに方向を示す機能であり、後者はメンバーにもうひと頑張りさせる機能です。

 第2回目では、「戦略のマネジメント」のポイントを説明しました。メンバーを方向づけるためには、やるべきことを伝えるだけでなく、“やらない決断”、“やめる決断”が重要であること、そしてその決断の先送りによって、本当にやって欲しいことに時間を割いてもらえなくなっているということです。

 第3回目は、「人・組織のマネジメント」です。前回と同様に、1つのことに絞り込んで説明します。

 

納得が実行にドライブをかける

 あるグローバル企業の人材開発担当の責任者から聞いた話です。その企業では、プロジェクトの成功確率を高めるために、成否を分けた要因を調査したそうです。

 まず、プロジェクトの進め方について調べました。その会社が定めたプロジェクトマネジメントの手順に沿っていたかどうかを調べたところ、成功したプロジェクトは100%従っていました。では、失敗したプロジェクトはどうかというと、98%が従っていたそうです。手順が問題ではなかったのです。

 その後、いろいろな角度から調べたところ、成功したプロジェクトには存在し、失敗したプロジェクトには存在しなかったものが見つかりました。Acceptance(受容や納得)だそうです。メンバーが、そのプロジェクトの意義を理解して前向きに取り組んだ場合には成功し、そうでない場合は失敗したそうです。

 メンバー一人ひとりに納得させることが、実行をドライブさせるのです。

 

納得させることの難しさ

 納得させること。これは決して目新しい話ではありません。昔から言われていました。しかし、この当たり前のことが、いま、ますます難しくなっているのです。… 続きを読む

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坂本 雅明

坂本 雅明

株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 研究室長 首都大学東京大学院ビジネススクール非常勤講師

1992年NEC に入社。コンサルティングファームを経て、2006年に富士ゼロックス総合教育研究所入社。戦略策定・実行プロセスの研究および戦略策定研修を担当。一部上場企業の顧問として中計策定や新事業開発、関連会社の再建支援にも携わる。上智大学卒業、一橋大学大学院修士課程修了(MBA)、東京工業大学大学院博士後期課程修了(博士(技術経営))。一橋大学イノベーション研究センター研究員(05~06)。

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