経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第95回)

アマゾンの攻勢にアスクルが生き残る道はあるのか?

2017.09.29 Fri連載バックナンバー

新サービス『Amazon Business(アマゾンビジネス)』を開始したアマゾン

 9月20日、アマゾンは法人や個人事業者向けに『Amazon Business(アマゾンビジネス)』という新しいサービスの提供を開始しました。

 アマゾンビジネスでは、法人向けに需要の高いボールペンやコピー用紙などのオフィス用品を始めとして、工事現場では必需品ともいえるヘルメットや電動工具、そしてもちろんアマゾンで取り扱う食品や飲料、パソコン周辺機器などに至るまで、実にバラエティに富んだ商品を購入することができます。

 その取扱品目は、なんとおよそ2億点。すでに先行しているライバル企業を品数で圧倒し、早期に業界での主導権を奪取しようという“ペネトレーション戦略”ともいえるでしょう。

 アマゾンは、これらの品揃えに加え、法人顧客の利便性を高めるために、社内の事前承認が必要な企業には見積書を自動で作成する機能を提供したり、支払方法も従来のクレジットカード払いだけでなく、一定期間に購入された注文代金をまとめて支払う請求書払いに対応したり、法人にとっては欠かすことのできないサービスにも力を入れています。

 法人向けの国内EC市場の規模は2016年にはおよそ291兆円に達していますが、アマゾンは新たなサービスでこの途方もなく大きなマーケットに斬り込み、日本市場でさらなる成長を加速させていくことを狙っているのです。

 

アマゾンの台頭で倒産に追い込まれた世界最大の玩具小売チェーン

 このアマゾンの新たなビジネスへの参入に戦々恐々としている企業は多いことでしょう。

 アマゾンが本腰を入れればどんな大企業といえども市場を侵食され、危機的な状況に陥ることも決してあり得ないことではないからです。

 たとえば、創業69年になるアメリカの玩具小売チェーン・トイザらスは、今月、アマゾンなどライバル企業との激しい競争の末、日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条の適用を申請し、事実上の倒産に追い込まれました。

 実のところ、トイザらスは… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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