経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第94回)

鳥貴族、28年振りの値上げは吉か? 凶か?

2017.09.18 Mon連載バックナンバー

 鳥貴族が10月1日から税抜きで280円の均一価格を298円に値上げすると発表しました。

 鳥貴族は、創業者である大倉忠司社長が1985年、大阪の近鉄俊徳道駅前にわずか9.5坪の俊徳店をオープンさせたところからその歴史が始まります。

 当初は150円、250円、350円という3つの価格帯のメニューを提供していましたが、なかなか事業が軌道に乗らなかったため、1年後には『全品250円』という思い切った価格戦略で勝負に打って出ます。大倉社長は、20歳の頃に友人に連れて行ってもらった炉端焼き店で全品230円という均一価格に大きな衝撃を受けたことが頭から離れず、自分の店でもすべての品が低価格の均一料金であれば、顧客にとってのインパクトが大きいだろうと考えた末のことでした。

 結果、この『全品250円』という均一価格が当たり、鳥貴族は繁盛店となります。その後鳥貴族は1989年に消費税の導入に伴って価格を30円値上げして280円としますが、今回28年振りに値上げに踏み切る決断を下したのです。

 

鳥貴族が28年振りの値上げを決定した背景とは?

 それでは、なぜ鳥貴族はこれまで企業努力で28年間も据え置いてきた280円という均一価格を298円に値上げする決断を下したのでしょうか?

 価格にするとわずか18円と思われるかもしれませんが、パーセンテージにすれば実に6.4%と、値上げ幅は決して小さくないという印象を受けます。

 この28年振りの値上げには、大きく3つの背景があります。

 まず、一つ目は原材料費の高騰です。ブロイラーのむね肉などは今年に入り市況価格が高騰し、前年よりも3割から4割程度高い水準で取引されています。また、野菜なども天候不順の影響で不作となり、価格の高騰を招いているのです。

 続いて二つ目には、… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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