経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第93回)

『ZOZOTOWN』、急成長を遂げる秘訣とは?

2017.08.31 Thu連載バックナンバー

快進撃を続ける『ZOZOTOWN』を展開するスタートトゥデイ

 ファッションに特化したネットモール『ZOZOTOWN(ゾゾタウン)』を運営するスタートトゥデイの株式の時価総額が、遂に1兆円を超えたというニュースが話題になりました。

 スタートトゥデイの株価は、昨年8月には1,500円台で取引されていたものの、2017年8月28日時点では終値で3,425円と、2倍を大きく超える水準に達しています。発行済み株式の時価総額は1兆674億円弱と、ファッションでいえば『ユニクロ』を展開するファーストリテイリングの3兆3,318億円、ネットモールでいえば楽天市場を展開する楽天の1兆8,504億円には及ばないものの、錚々たる上場企業の中で129位に付けるなど、存在感は益々増しています。

 この好調な株価を受けて、発行済み株式の4割ほどを保有する創業者の前澤友作氏は、保有資産が4,000億円を大幅に超え、2017年8月23日にフォーブスが発表した『世界のIT長者』では10位の孫正義氏、33位の三木谷浩史氏に次いで、日本人としては3番手の59位にランクインするなど、今や世界的な経営者の仲間入りを果たしました。

 全般的に不況の波に晒されているアパレル業界において、カリスマ経営者の前澤氏が率いるスタートトゥデイの快進撃には、目を見張るものがあるといっても過言ではないでしょう。

 

『ZOZOTOWN』を展開するスタートトゥデイとはどのような企業なのか?

 スタートトゥデイの会社としての歴史は、1998年に洋楽のCDやレコードのカタログ販売を行う有限会社を設立したところからスタートします。その後、2000年4月には会社を株式会社化、10月には、オンラインセレクトショップ『EPROZE(イープローズ)』の運営を開始し、アパレル事業への参入を果たします。そして、2004年12月に、17のセレクトショップを集めたネットモール『ZOZOTOWN』の展開につながっていくのです。

 この『ZOZOTOWN』のビジネスが大当たりし、スタートトゥデイは2007年12月に東証マザーズに上場。その後も順調に事業を拡大して、2012年2月には東証一部への昇格を果たすことになります。

 2009年からの業績推移を見ても、2009年3月期に107億円だった売上高は2017年には764億円と8年で7倍以上に、経常利益は22億円が264億円へと実に12倍にも達しているのです。

 また、グラフを見ると、特にここ2年の売上高の成長率は目覚ましく、2016年には32%、そして2017年には40%と驚異的な成長を記録していることがわかります。

 『ZOZOTOWN』は、事業基盤の整備を着々と進め、これからは本格的成長期に突入することを予感させるカーブを描いています。

 

 『ZOZOTOWN』の成功の秘訣はどこにあるのか?

 スタートトゥデイの主力事業である『ZOZOTOWN』がここまで成功したのにはどのような背景があるのでしょうか?続いては、その成功の秘訣を掘り下げていくことにしましょう。

 

1.日本初の本格的セレクトショップのネットモール

 もともと『ZOZOTOWN』は… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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