経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第77回)

近未来コンビニ「AmazonGo」の狙いはどこにあるか

2016.12.29 Thu連載バックナンバー

SF映画のようなコンビニをオープンさせるアマゾン

 米アマゾンが近未来的なコンビニ『Amazon Go』をオープンします。

 『Amazon Go』では、利用者はスマートフォンの専用アプリを起動すると、それを入り口にある読み取り機にかざします。後は自分の好きな商品を手に取り、もしくは持参したカバンの中に入れて、外に出るだけ。レジに並んで精算する必要はなく、店から出ればアプリで何を購入したかが通知され、自動で精算される仕組みです。

 店内では数々のセンサーや人工知能が顧客の行動をモニターし、どのような商品を手に取り購入したかを把握します。そして、店の棚から手に取られた商品は仮想のショッピングカードに入れられ、店を出ると同時にチェックアウトが完了するのです。

 それでは、なぜオンライン販売大手のアマゾンがこのような新たなタイプのコンビニ事業に乗り出すのでしょうか?

 一体、その狙いはどこにあるのでしょうか?

 今回は、その背景にあるアマゾンの深謀遠慮を推測していくことにしましょう。

 

コンビニ業界のブルーオーシャンを目指す

 まず、単純な狙いとして考えられるのは、アマゾン自体がコンビニのフランチャイズチェーンを展開し、加盟料やロイヤリティ収入を獲得することでしょう。

 現状日本においてもコンビニ業界は急成長を遂げてきていますが、数々の問題を抱えていることも事実です。

 たとえば、店員の確保問題。

 24時間営業が前提のコンビニエンスストアでは、レジや商品の補充などに相応の人材確保が必要になってきます。ただ、ライバルのコンビニチェーンを始め、外食チェーンなど他の業界と激しい人材獲得競争が繰り広げられている影響で人材確保がままならず、外国人労働者に頼らざるを得ない状況に陥っています。

 また、万引きによる損失もコンビニ経営に大きな影を落としています。ある団体の調査によれば、小売業全体で万引きによるロスは年間… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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