経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第75回)

任天堂の例に見る、なぜ「復刻版」は売れるのか?

2016.11.30 Wed連載バックナンバー

伝説のゲーム機“ファミコン”の復刻版が大ヒット!

 任天堂は11月10日、1980年代に爆発的なヒットを記録した家庭用ゲーム機『ファミリーコンピューター』(通称:ファミコン)の復刻版『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』を発売しました。

 復刻版といっても、かつてのファミコンそのままではなく、デザインはもちろん当時のままですが、サイズをおよそ60%まで縮小し、手のひらに乗るような大きさまで小型化を図ります。ソフトはかつてのカセット式ではなく、本体に『スーパーマリオブラザーズ』や『ドンキ―ゴング』など大ヒットした30タイトルを収録し、追加はできないような仕組みになっています。

 ファミコンの復刻版発売のニュースは、SNSを中心に発売前からかつてのゲームユーザーの間で話題に。そして、発売されるやいなや購入者が殺到して、入手しづらくなるほどのヒットを記録したのです。

 任天堂はまた、日本だけでなくアメリカなど海外でもファミリーコンピューターの復刻版を発売しており、こちらも2016年11月28日現在、Amazon.comでは、定価59.99ドル(約6,700円)に対して229.99ドル(約2万5千円)の高値で販売されるなど、世界中でブームが過熱して品薄状態となっているのです。

 

ファミコンの復刻版は任天堂を救うか?

 ここ数年、任天堂はスマートフォンのゲームに主要顧客を奪われ、苦戦が続いてきました。

 2009年度には1兆8千億円を超える売り上げを記録しましたが、ここ最近は5千億円程度とピーク時の3分の1程度にまで落ち込んでいます。特に2012年度から3年間は大幅な営業赤字を記録するなど、業績は危険水域に達し経営が危ぶまれていたのです。

 このような業績不振に対し、任天堂は成長著しいスマートフォンのゲーム市場への参入を決断します。そして、第一弾として2016年3月にリリースしたのがコミュニケーションアプリ『Miitomo』。続いて、2016年7月にはアメリカのナイアンティック社と株式会社ポケモンに協力する形で『ポケモンGo』のリリースに関わります。そして、最近では2016年9月のiPhone新作発表会で、任天堂のゲームプロデューサーがユーザー待望のアプリ『スーパーマリオラン』のリリースを発表し、ファンを大いに沸かせました。

 任天堂は、他にも2017年3月にはWii Uの後継機種となる次世代機『Nintendo Switch(ニンテンドー スイッチ)』の発売を発表しており、スマホアプリ、次世代機と共に復刻版も任天堂復活の命運を託されているといっても過言ではないでしょう。

 

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任天堂の例に見る、なぜ「復刻版」は売れるのか?
安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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