経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第71回)

日清がカップヌードル45周年で展開した非常識な戦略

2016.09.30 Fri連載バックナンバー

誕生45周年を迎えたカップヌードル

 世界初のカップ麺『カップヌードル』が誕生したのは、1971年9月18日のこと。それから長い歳月をかけて、カップヌードルは日本だけでなく世界中の人々に親しまれ、今では80以上の国と地域で累計販売食数が400億食を超える世界No.1ブランドとして確固たる地位を築いてきました。

 今年はカップヌードル45周年にあたり、日清食品はメモリアルプロダクトとして期間限定の製品を投入して、その誕生を祝います。

 それが、『カップヌードルビッグ “謎肉祭” 肉盛りペッパーしょうゆ』。

 “謎肉”の愛称で熱烈的なカップヌードルファンに親しまれている味付け豚ミンチを、通常の『カップヌードルビッグ』の10倍入れるという“謎肉”ファンにはたまらない一品です。

 9月12日に発売を開始するや、その話題性からSNSなどで口コミが大きく拡散し、爆発的な売上を記録。わずか3日間で用意した通常の『カップヌードルビッグ』の1.5倍分の在庫がなくなり、販売休止へと追い込まれます。

 この非常事態を受けて、日清食品は早急に生産体制を整え、10月下旬を目途に販売再開を目指すと発表しました。

 

なぜ “謎肉祭” 限定カップヌードルは爆発的な売上を記録したのか?

 カップヌードル誕生45周年を記念して、企画・開発・上市された『カップヌードルビッグ “謎肉祭” 肉盛りペッパーしょうゆ』ですが、その爆発的なヒットの背景には日清食品の“非常識”なマーケティング戦略が隠されています。

 今や、食の安心・安全に対して消費者が敏感になる中、食品企業としては消費者が不安になるような製品を敢えて市場に投入しようとは思わないでしょう。

 ところが、日清食品は記念すべきメモリアルプロダクトのメイン具材として味付け豚ミンチを選び、“謎肉”と自ら命名します。初めて、この言葉を聞いた消費者は、どんな肉かわからず不安を覚え、購入を躊躇することでしょう。

 ただ、この“謎肉”は、… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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