経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第64回)

商品9割減!ジャパネットの逆張り戦略は成功するか

2016.06.17 Fri連載バックナンバー

取扱商品の9割以上の削減を決定したジャパネットたかた

 無店舗型販売大手のジャパネットたかたは、現状約8,500種類ある取扱商品を2016年7月までに9割以上削減し、約600種類にまで絞り込むことを発表しました。

 これまで同社は、高田明前社長の下、少品種大量販売でのバイイングパワー(大量購入による、仕入れ先への強力な価格交渉力)を武器にした手頃な価格の商品を、社員が徹底的に議論し、消費者に受け入れるものだけを厳選して、通信販売やテレビショッピングで販売するというビジネスモデルを展開してきました。その一方で、ネット販売では取扱商品が増え続け、約8,500種類まで膨らんでいたのです。

 販売点数が増え過ぎれば、1点1点の丁寧な説明も難しくなり、ただ単に商品の画像と価格、簡単な機能の紹介に留まっていたことから、その他大勢の商品は売り上げへの貢献度が低いと判断し、売れ筋だけに絞って商品点数を劇的に減らす決断を下したといえます。

 商品点数を約600点に絞り込むことにより、全商品に45秒の商品説明動画を付けるなど、より個々の商品の価値を訴求することが可能になるうえに、取扱製品すべての在庫を確保して迅速に配送対応ができるようになるなど、顧客サービスの向上も図れるようになるというメリットを狙っているわけです。

 

ネット販売、品揃えの定石は『ロングテール』

 消費者がインターネットを通して気軽にショッピングを楽しむようになった昨今、プロダクト戦略としての品揃えの充実は激しい競争を勝ち残るうえで重要な要因となっています。

 たとえば、インターネットショッピングモール大手の楽天市場ではおよそ1億9,400点もの商品が出店する4万店以上の店舗を通して提供されていますし、ネット通販大手のアマゾンジャパンでは5,000万点を超える商品が販売されています。また、家電量販店のネット店舗では、ヨドバシカメラが430万点以上の商品を取り扱うなど、各社が桁違いの品揃えを実現しているのです。

 それというのも、ネットの世界では… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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