経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第61回)

退任、統合…混沌としてきたコンビニ業界の勝者は?

2016.04.29 Fri連載バックナンバー

 今や私達の生活に欠かすことのできなくなったコンビニエンスストア。1970年代初めにセブンイレブンファミリーマートなどが1号店をオープンして以来40年間、日本国内ではすでに5万店を超える店舗が営業していますが、コンビニ各社の出店意欲は旺盛でまだまだ成長の陰りは見えそうにありません。

 ところが最近、今後コンビニ業界の大きな変化を感じさせる出来事が次々と起こっています。

 今回は大手コンビニ各社の動向と今後の課題について、掘り下げていくことにしましょう。

 

業界のリーダーを襲った異変-“カリスマ経営者”を失ったセブンイレブン

 最も衝撃的だったのは、セブンイレブンを創業して一から現在の繁栄の基盤を築き、現在でも強いリーダーシップを発揮して事業を牽引してきた鈴木敏文セブン&アイホールディングス会長が退任することを決定したことでしょう。

 年齢は83歳と高齢ではありますが、いまだにセブンイレブンの事業に深く関与し、方向性を決める重要な責務を果たしてきただけに、いきなりの退任劇は世の中を大きく騒がせました。

 その退任理由は、セブンイレブンジャパンの社長人事を巡る内紛。

 鈴木会長は、実績が物足りないという理由で現在の井坂社長の交代を画策しますが、イトーヨーカ堂の創業者で現在はセブン&アイホールディングスの名誉会長を務める伊藤雅俊氏や大株主が、5期連続で好業績を維持している井坂社長を交代させる理由はないと反対に回ります。

 この井坂社長更迭の人事案は4月7日の取締役会にかけられますが、可決できるだけの賛成を得られずに鈴木会長の思惑通りにならず、結果として求心力を失った鈴木会長の退任劇にまで発展してしまったのです。

 今やセブンイレブンは国内に18,613店を展開し、4兆3千億円の売り上げを誇るコンビニ業界をリードする巨大組織にまで成長してきていますが、これまで“船頭役”を務めてきた鈴木敏文会長というカリスマ経営者を失うことで迷走し始めるということも十分に考えられます。

 また、これからも顧客を惹きつけるためには、新たなサービスを提供し続けることが重要な鍵を握りますが、鈴木会長のような業界の常識では考えられなかったサービスを実現できるかも大きな課題としてのしかかってきます。

 たとえば、今でこそ当たり前のように… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

連載記事

輝きを失ったトリンプ復活の鍵はマクドナルドにあり
安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter