経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第57回)

迷走を続ける小僧寿しが生き残る唯一の条件とは?

2016.02.26 Fri連載バックナンバー

新たな株主の下で経営再建を図る小僧寿し

 持ち帰りすし店を全国展開する小僧寿しは、2016年2月22日、筆頭株主の異動(PDF)を公表しました。

 これまで、建設関連の人材派遣業を営む夢真ホールディングスの会長である佐藤真吾氏が、実質13.76%を保有する筆頭株主でしたが、全株式をおよそ8億円で居酒屋などを展開するアスラポート・ダイニングのグループ会社で食品卸を展開する東洋商事に譲渡。

 佐藤氏は2015年12月29日まで会長として、小僧寿しの再建に力を注いできましたが、6期連続の最終赤字に陥るなど、経営を立て直すことができず、今回全株式を譲渡して小僧寿しの再建を新たな筆頭株主に託すことになるのです。

 

小僧寿しの“栄枯盛衰”

 小僧寿しは1964年、その前身である『スーパー寿司・鮨桝』を出店したところからその輝かしい歴史がスタートします。1968年にフランチャイズ方式を採用すると、その翌年には全国100店を突破。1987年にはチェーン店が2300店を超え、1991年にはチェーン総売上が1000億円を突破するなど快進撃を続けます。

 小僧寿しの創業当時、寿司といえば高級な日本食の代名詞でしたが、小僧寿しの“リーズナブルな価格のお寿司を持ち帰って家庭で食べる”というコンセプトが、一億総中流社会を築き上げた高度経済成長期の日本経済にマッチして“持ち帰りすし”という確固たるポジションを築いていったのです。

 ところが、当時としては画期的なコンセプトで一時代を築いた小僧寿しにも、その絶頂期に暗い影が忍び寄ります。1990年以降、1皿2貫のお寿司がわずか100円で食べられるという回転寿司チェーンが急成長。また、スーパーもお総菜コーナーで寿司屋に負けず劣らないクオリティのお寿司の提供に注力するようになります。加えて、最近では銀のさらなど、宅配寿司も人気を博し、“持ち帰りすし”の存在意義自体が薄れ、ライバル企業に顧客を奪われて、業績不振に陥ることにつながったのです。

 そこで、この経営危機を乗り切るために、小僧寿しは2005年に… 続きを読む

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安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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