経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第50回)

すき家は独自のポイントサービス導入で成功するか?

2015.11.16 Mon連載バックナンバー

独自のポイントサービスの導入を決定したすき家を展開するゼンショーホールディングス

 牛丼チェーン最大手のすき家を展開するゼンショーホールディングスが、2016年1月からグループ共通のポイントサービスを導入することを発表しました。

 ゼンショーホールディングスは、傘下に牛丼チェーンの「すき家」を始め、回転寿司の「はま寿司」、ファミリーレストランの「ココス」、焼き肉店の「宝島」、和食チェーンの「なか卯」などを擁し、まずは年明けに「なか卯」を除いたチェーン店約3千店にグループ共通のポイントサービスを導入し、4月以降は残りのチェーン店にまで広げ、最終的にはおよそ4800あるグループ全体の店舗へ拡大していく予定です。

 また、将来的にはゼンショーホールディングスが運営する食品スーパー約60店舗にも共通ポイントの導入を検討しており、独自のポイントサービスによる利便性をさらに高める計画もあります。

 外食産業は競争が激しく、業態の垣根を超えて顧客の奪い合いが繰り広げられています。

 牛丼のすき家は業界最安値を武器に、それまで業界のトップであった吉野家を抜き去るなど、デフレ経済下で目覚ましい躍進を遂げてきましたが、従業員に過酷な労働を強いる“ブラックバイト”が社会問題化し、景気の回復と相まって従業員の確保が難しくなると、人手が足りずに臨時休業を余儀なくされる事態に見舞われました。これまで人件費や原材料費の低コスト化で低価格を実現し、顧客数を拡大してきた“必勝”のビジネスモデルが破綻し、一時は赤字に陥るなど苦戦を強いられることになるのです。

 そこで、ゼンショーホールディングスでは、グループの強みを活かして独自のポイントサービスを導入し、グループ内で顧客を囲い込もうという戦略に打って出たのです。

 

益々拡大が進むポイントサービスによる顧客の囲い込み

 ポイントサービスによる顧客の囲い込みは、何もゼンショーホールディングスだけでなく、業界を問わず多くの企業で導入がかなり前から進んでいます。どちらかというとゼンショーホールディングスは“後発組”といっても過言ではないでしょう。

 野村総研の調査によれば、2015年度の家電量販店やクレジットカード、携帯電話など、国内11業界の主要企業が1年間に発行するポイント・マイレージの現金換算は、… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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