経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第47回)

『楽天市場』vs.『Amazon』各社の戦略を読み解く

2015.09.28 Mon連載バックナンバー

日本のネット通販を牽引する『楽天市場』と『Amazon』

 日本国内の物販系分野の消費者向け電子商取引(ネット通販)市場は、経済産業省の調査によれば2014年に6兆8千億円の規模まで達し、前年比13.5%増と順調に拡大を続けています。

 この消費者向け電子商取引市場で、激しいトップ争いを繰り広げているのが、楽天市場Amazon(アマゾン)。推計では2014年の物販系流通総額が、楽天市場の1兆6千億円に対し、Amazonは1兆3千億円と、共に市場シェアの2割前後を占めている計算になります。

 今後両社はどのようにして拡大路線を突き進んでいくのでしょうか?

 今回は成長著しい消費者向け電子商取引市場をリードする両社の戦略を分析していくことにしましょう。

 

『楽天ポイント』で顧客の囲い込みを図る楽天市場

 楽天市場の最大の武器は何といっても『楽天ポイント』による顧客の囲い込みでしょう。

 今や楽天の累計会員数は1億人を突破し、楽天会員が商品やサービスを購入した際に付与される楽天ポイントは楽天市場のみならず、サークルK・サンクスポプラなどのコンビニ、出光サービスステーションミスタードーナツなどリアル店舗にまで拡大し、その利便性を高めています。

 さらに楽天市場では、最近頻繁に大きなセールを実施するとともに、最大40倍にも達するポイント還元を実施して、利用者が買い物に熱中し、ポイントが貯まりやすいイベントも仕掛けています。大々的に開催されるセールだけをピックアップしても、楽天スーパーセールを始めとして、お買い物マラソン、超ドドンパ祭などが頻繁に開催され、大きな値引きや大幅なポイントアップを提供しているのです。

 また、楽天市場では、商品配送のスピード化にも力を入れており、迅速な配送を求める顧客に対して翌日に商品が手元に届く『あす楽』というサービスを提供して顧客満足度を高めようとしています。

 商品配送のスピード化の極めつけは、… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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