経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第39回)

競争激化!スマホショッピング市場を制する企業は?

2015.05.29 Fri連載バックナンバー

高島屋が新たに開始したスマホショッピング用サービス

 高島屋は、この夏のお中元商戦においてスマートフォンで簡単に商品を購入できるサービスを5月20日から開始しました。

 新しいサービスでは、まず顧客は高島屋が提供する『高島屋カタログスキャン』というアプリをスマートフォンにダウンロードして起動させる必要があります。続いて、別に用意した高島屋のカタログから欲しい商品を決め、そのページをスマートフォンのカメラを使って映し出しすと自動で画面上に商品名が浮き出してきます。そして、その浮き出た商品名をタッチすれば、高島屋のオンラインストアのページに移動して購入できるという仕組みになっているのです。

 このサービスを使えば、すでに商品の送付先やクレジットカード情報などを登録している会員の場合、入力を省いて簡単に購入することができます。

 このアプリで購入できる商品数は、カタログに掲載されているすべての商品が対象でおよそ1,400。高島屋はこのサービスを起爆剤として、スマートフォン利用者の需要掘り起こしを図り、お中元商戦におけるインターネット経由の売上を前年から2割アップさせ21億円を目指していく構えです。

 

高島屋は売上目標を達成できるのか?その鍵を握るものとは? 

 2015年5月15日付の日経MJによれば、高島屋は昨年のお歳暮商戦でインターネット経由の売上は20億円を記録し、実店舗の横浜店の23億円に次いですでに2位の規模となっています。この数字を踏まえれば、インターネット経由の売上は成長ステージにあり、今夏のお中元商戦で21億円を達成することも決して難しいことではないでしょう。

 ただ、高島屋にとってインターネット経由の売上目標をより確実に達成し、今後も成長軌道に乗せていくためには、今回サービスを開始したスマートフォンのアプリ『高島屋カタログスキャン』は“戦略ツール”として重要な役割を果たすことは間違いありません。

 顧客にとってインターネットで買い物するには多くの障害が横たわっています。たとえば、まずは購入したい商品を決定し、買い物かごに入れ、送付先の住所を記入し、クレジットカードなどの決済方法を決めてようやく買い物が終了することになります。このプロセスにおいて、少しでも煩わしいと感じることがあれば、途中で買い物を止めてしまうということも多々あるのです。

 ですから、企業側にとっては顧客のこの購入プロセスをいかに簡素化するかが売上の取りこぼしを少なくする鍵を握ることになります。たとえば、アマゾンなどは売上機会を逃さないために、『1‐Click注文』というサービスを提供していて、ユーザーはボタンを1回クリックするだけで、ショッピングカート画面を省略して素早く注文することができるようになっています。そういう意味では、『高島屋カタログスキャン』も、顧客の手間を大きく省いて手軽に買い物ができるパワフルなツールとなり得るというわけです。

 高島屋にとって一つ大きな問題があるとすれば、… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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