経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第34回)

新市場に活路を見いだす日本酒メーカーの戦略とは?

2015.03.12 Thu連載バックナンバー

 消費者のアルコール離れから、苦戦の続く日本酒メーカーですが、最近では静かなブームを迎えています。果たして、どのような手法で日本酒を復活に導こうとしているのか?日本酒メーカーのマーケティング戦略に迫っていきます!

 

日本酒メーカーが活路を見い出した新たなターゲット顧客とは?

 日本酒が静かなブームを迎えています。

 昨今の消費者のアルコール離れから日本酒も苦戦。生産量は国税庁の統計によれば、ここ30年の間、1975年の135万キロリットルをピークに年々減り続け、2011年にはピーク時の3分の1以下となる44万キロリットルにまで落ち込んでしまったのです。この状況に危機感を抱いた日本酒メーカーはそれぞれ知恵を働かせて窮地からの脱却を図っていきます。

 そのターゲットに選んだのが海外と女性。

 和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、海外で注目を浴びる中、和食に合う日本酒をプロモーションしていこうと官民を上げて輸出に取り組んでいるのです。輸出金額は国税庁の発表によれば2013年には105億円と10年前の40億円に比べて2.5倍もの成長を記録。今後も益々増加する見込みです。成功の秘訣は輸出国の消費者に合わせたマーケティング活動といえるでしょう。

 たとえば、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどでは日本酒をワイングラスで飲む飲み方を提案。日本では日本酒といえば徳利とお猪口が定番ですが敢えて日本流を押し付けるのではなく、ワインなどで飲み慣れたワイングラスで日本酒を飲む飲み方を提案することによって初めて日本酒を飲む海外の消費者に対して心理的なハードルを下げることに成功したのです。今後は世界に益々広がる和食文化と共に日本酒の需要も拡大していくことが期待されます。

 一方、日本酒ブームのもう一翼を担うのが女性。従来、日本酒といえば年配の男性というイメージでしたが、さまざまな日本酒メーカーから消費に大きな影響を持つ女性をターゲットにした商品が次々と販売されるようになったのです。たとえば、日本酒が苦手という女性向けにはスパークリングワインのような発泡性の日本酒が多くのメーカーから発売されています。

 このスパークリング日本酒ブームの火付け役となったのは、… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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