経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第32回)

マリオの“オープン化”は任天堂を復活に導くか?

2015.02.27 Fri連載バックナンバー

 任天堂が人気キャラクター「マリオ」を他社に開放する戦略に舵を切ってきました。これまで大事に育ててきたキャラクターでどのようにビジネスを変えようとしているのか?他社の成功事例を踏まえながら任天堂の成否を占っていきます。

 

マリオの“オープン化”を決めた不振に喘ぐ任天堂

 任天堂の岩田聡社長は、今後「スーパーマリオ」など同社のゲームの人気キャラクター活用を外部企業に認めて使用料を得るライセンス事業を新たな収益源にする考えを示しました

 任天堂は、スマートフォンの急速な普及により、無料で無数のゲームができるようになると、それまで主要顧客であったであったライトユーザーを奪われて業績が悪化。2014年3月期まで、3期連続で大きな営業赤字に陥るなど極度の不振に喘いでいます。そこで、この深刻な苦境を脱するために、積極的にライセンス事業に取り組んで、収益力を強化する戦略に打って出たのです。

 すでにマリオのライセンス供与は、昨年のメルセデスベンツの新車CMで実施済みであり、実写版のマリオが登場したCMは話題を呼びました。この第一弾の大きな反響を受けて、続編が制作され、第二弾のCMではマリオに加えて実写版のルイージやピーチ姫が登場するなど、さらに多くのキャラクターの出演で注目を集めたことは記憶に新しいところです。

 任天堂としては、これまで築き上げてきたキャラクターのイメージを損なうことがなければ、メルセデスベンツのCMのようなWin-Winの関係を築いて共存共栄を目指していくことになるのです。

 今後は、今年の4月29日にスマートフォンゲームで一大ブームを巻き起こしたガンホー・オンライン・エンターテイメントと組んで、「パズル&ドラゴンズ(パズドラ) スーパーマリオブラザーズエディション」の発売も決定。マリオのキャラクターを使った任天堂以外からの初めてのゲームがお披露目されることになります。

 また、この「パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズエディション」は、日本のみならず、アメリカでも発売が決定しており、世界版は任天堂から発売される予定です。

 日本発の爆発的ヒットを記録したゲームと世界中で愛される人気キャラクターの強力コラボで、世界レベルでの快進撃が見込まれる中、今後任天堂にとって人気キャラクターの使用権から得るライセンス料は、新たな収益源として期待が高まります。

 

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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