経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第30回)

打倒アマゾン!ヨドバシカメラのネット通販拡大戦略

2015.02.13 Fri連載バックナンバー

 インターネットの発達やスマートフォンの普及でインターネットショッピングを利用する消費者が増えています。そのような追い風に乗って楽天市場アマゾンジャパンなどのネット専業販売業者は急成長を続け、eコマース市場で存在感を高めています。一方、リアル店舗での販売を主体とする家電量販店は苦戦が続き、中には経営破綻に追い込まれる企業も出てきています。

 そんな中、果敢にもネット専業販売業者に対して真っ向から勝負を挑むヨドバシカメラの取り組みについて紹介していきましょう。

 

成長著しいネット専業販売事業者のあおりを受け苦戦する家電量販店

 インターネットショッピングが急速に拡大しています。

 経済産業省が2014年8月に発表した『電子商取引に関する市場調査』によれば、2013年の日本の消費者向けのeコマース市場は前年比17.4%増の11兆1,660億円に達し、2020年までには20兆円規模まで成長することが見込まれています。

 このeコマース市場を牽引するのが楽天市場やアマゾンジャパンなど、ネット専業の販売事業者。これら主要なプレーヤーの2013年の流通総額は、楽天市場でおよそ1.8兆円、アマゾンジャパンでは、推定1.4兆円に達しています。

 一方、ネット専業販売業者の急成長を受け、苦戦しているのがリアル店舗での販売を主体とする家電量販店。

 海の向こうアメリカでは、2月5日に家電量販店業界第2位のラジオシャックが日本の民事再生法に相当する米連邦破産法11条を申請し、経営破綻に追い込まれました。2010年12月期には45億ドル(約5,310億円)あった売上が、2013年12月期には34億ドル(約4,012億円)まで急落。14億ドル(1,652億円)にまで積み重なった負債が負担となり、倒産してしまったのです。

 日本においても、家電量販店業界最大手のヤマダ電機などは、アマゾンジャパンなどネット専業に徹底対抗する方針を表明。店舗で過剰な値引きを実施した結果、2013年9月の中間連結決算では41億円の最終赤字に陥るなど、苦戦を強いられています。

 やはり、店舗を構えず接客店員もいないなどコスト構造がまったく違うネット専業事業者に対して、リアル店舗での販売が中心の家電量販店が価格で対抗しようとしても、難しいのが現状なのです。

 

ネットでも存在感を増すヨドバシカメラの挑戦

 そんな中、楽天市場やアマゾンジャパンなどネット専業販売業者に真っ向から挑戦する家電量販店があります。

 それがヨドバシカメラ。

 ヨドバシカメラは、2014年3月期の売上高が6,908億円と家電量販店業界第5位に位置する企業です。ただ、駅前を中心にわずか21店舗で達成した売上は、ヤマダ電機の4,401店舗で1兆9千億円の売上と比較すれば事業効率が高く、また利益面では2014年3月期の経常利益が531億円とヤマダ電機の501億円を抜き去り、業界でNo.1に輝いています。

 このヨドバシカメラが、次の事業の柱に据えるのがネット通販。ヨドバシカメラはすでにネット通販の品揃えを300万アイテムにまで高めており、… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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