経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第27回)

異物混入報道が続くマクドナルドが逃した機会とは?

2015.01.19 Mon連載バックナンバー

 昨年中国の仕入先で起こった消費期限切れ鶏肉の使用問題以降、深刻な売上減に悩む日本マクドナルドに、今年に入って異物混入問題が直撃しました。この問題の対応に失敗し、今や“マクドナルド・バッシング”が続いていますが、果たしてどう対応すべきだったのでしょうか?近年アメリカで注目を浴びている『コーポレート・アポロジア(Corporate Apologia)』を紹介しながら、検証していきます。

 

不振脱却の糸口さえ見えないマクドナルド

 日本マクドナルドホールディングスが1月9日に発表した2014年12月の既存店売上高は、前年同月比21.2%と大幅な落ち込みを記録しました。

 昨年7月にチキンナゲットなど鶏肉製品の仕入先の中国工場で消費期限切れの原料が使用されていた問題が発覚し、翌8月は25.1%という記録的な売上の減少に見舞われて以降、日本マクドナルドは顧客の信頼回復に努めますが、前年同月比2桁台の売上減が続いていました。

 更に12月には、アメリカで港湾労働者と港湾側の労使交渉が長引き、輸出が滞る事態が勃発。マクドナルドで人気の高いポテトが十分な量を確保できずに、12月17日からSサイズのみの販売となったことが8月以来の大きな売上減につながっていったのです。

 日本マクドナルドにとっては、1月5日にはポテトの販売制限はなくなり、今では全サイズの販売を再開するなど、比較的短期間で頭の痛い問題は解消されたことは不幸中の幸いといえるでしょう。

 

一難去ったマクドナルドを襲った更なる困難

 ただ、『一難去ってまた一難』。今度は更に大きな困難が襲って来ます。

 昨年末からペヤングや日清の冷凍パスタなどへの異物混入問題が注目を集めて世間で騒がれる中、マクドナルドにおいても1月5日に青森県三沢市内の店舗で販売した「チキンマックナゲット」1個に、ビニール片とみられる異物が混入していたことが発覚したのです。

 日本マクドナルドは、「同時期に同じ工場で製造したナゲットの提供を中止し、原因解明を進める」と発表することで事態の鎮静化をはかりますが、その後も異物混入報道が相次ぎ、結局は1月7日に記者会見を開くことを余儀なくされたのです。

 ところが、この記者会見が更に事態を悪化させることにつながっていきます。… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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