経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第24回)

ペヤングの販売休止で露呈した企業のリスクと対応策

2014.12.25 Thu連載バックナンバー

 最近、食品に異物が混入しているなど、食品に関する苦情を扱ったニュースが立て続けに報道されています。実際に企業によっては、販売休止に追い込まれるなど経営に大きなダメージを受けていますが、このような不測の事態をを避けるために企業はどのような対応を心掛けていけばいいのでしょうか?その対応策を掘り下げていくことにしましょう。

 

異物混入で全製品の販売休止に追い込まれた『ペヤング』のまるか食品

 『ペヤングソース焼きそば』でお馴染みのまるか食品は、今月に入り主力のペヤングソース焼きそばを始めとして生産する24種類全製品の販売休止を決定しました。

 消費者からゴキブリと見られる異物が混入している商品の写真をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)であるTwitter上でアップされ、原因の特定を第三者機関に依頼していましたが、製造過程で混入したことを否定できない調査結果が出たからです。

 販売休止期間は未定で、原因が明らかになるまで生産は再開されない見込みです。

 売上がまったく立たない状況で、従業員に対する給料の支払いなど経費は変わらずに支出され続けることを考えれば、同社の事業に深刻な影響を与えることは避けられないでしょう。

 

立て続けに報道される食品に関する苦情のニュース

 実はこのところ、食品に関する苦情を取り上げたニュースが立て続けに起こっています。日清食品は静岡工場で生産された冷凍スパゲティにゴキブリが混入していたという消費者からの報告を受け、同じラインで生産されたおよそ75万食にものぼる製品を自主回収しました。

 また、不二家は埼玉工場で生産されたケーキのスポンジにカビが生えているというTwitter上でのつぶやきを受け、同製品を回収。回収した商品を保健所に持ち込み(PDF)、現在スポンジの変色の原因を究明中です。

 統計を調べてみると、報道される食品に対する苦情は氷山の一角であり、東京都だけでも平成24年度で4,867件に達することがわかります。これは、1日あたりに換算すると13.3件の苦情が寄せられていることになります。

 この食品に対する苦情に関して、企業にとって事態を深刻にしているのは、行政からの指導以前にTwitterなどSNSで不特定多数の人々へ瞬く間に拡散され、収拾がつかなくなることでしょう。

 インターネットの普及で誰でも簡単に情報発信ができるようになったために、少しでも変わったことがあれば、友達に伝える感覚で気軽にSNSにアップしたものが多くの人にシェアされて、驚くほどのスピードで広まっていくのです。

 このような時代、企業にとっては特に悪い情報ほど隠蔽が難しく、隠蔽を図ろうとすればするほど逆に悪評が広まっていくことにつながりますので注意が必要になってきます。

 

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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