経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第22回)

すき家のゼンショーは狂った歯車を元に戻せるか?

2014.11.21 Fri連載バックナンバー

 牛丼業界でトップに君臨する『すき家』を運営するゼンショーホールディングスが最大のピンチに陥っています。なぜ、ゼンショーは苦境に立たされたのか?そして、どうすればピンチを脱することができるのか?戦略の視点から深堀していくことにしましょう。

 

創業以来最大のピンチに陥った『すき家』を運営するゼンショーホールディングス

 牛丼チェーン最大手の『すき家』を運営するゼンショーホールディングスが創業以来の赤字に転落する見込みです。11月10日に発表された2015年3月期の連結決算の予想では、13億円の赤字と見込んでいた最終損失が75億円にまで拡大。売上高も従来予想より157億円少ない5,092億円となるなど、創業以来最大のピンチを迎えています。

 すき家を運営するゼンショーホールディングスは、吉野家に勤めていた小川賢太郎会長兼社長が1982年に独立して創業。2008年9月には牛丼業界で吉野家を抜き去り、店舗数でトップに立った後は、2011年3月期にマクドナルドを抜いて、売上高で外食産業のNo.1に輝くなど、積極的なM&Aで拡大路線をひた走ってきました。

 すき家が快進撃を続けた時代はデフレ経済の真っ只中。低価格メニューを武器に、並み居るライバルを打ち負かして、まさに社名の由来の通りに“全戦全勝”の勢いで急成長を遂げてきたのです。

 このゼンショーの勝利の要因は、出店攻勢による規模の拡大。規模を拡大すればするほど、原材料は大量仕入れで変動費の削減につながっていきますし、加えて人件費などの固定費もデフレ経済下では、時給も低くとどめることも可能で、最小限の人員に抑えることにより、大幅なコスト削減を実現することができたのです。

 この勝利の方程式をフル活用して、他社が追随できないような低価格を実現して顧客を奪い去り、さらに規模を拡大して利益の向上につなげるという好循環がゼンショーの快進撃秘訣だったのです。

 

ゼンショーの狂った歯車

 ところが、安倍内閣が誕生すると、首相は長引くデフレに終止符を打つべく次々と経済政策を打ち出します。このアベノミクスによって、ゼンショーの歯車に狂いが生じたのです。… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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