経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第19回)

永谷園が「お肉マジック」をヒットに導いた戦略とは

2014.10.10 Fri連載バックナンバー

 永谷園が販売する手軽に本格的なおかずが短時間で作れる調味料「お肉マジックシリーズ」が売れています。その背景にはどのような要因があるのか?ヒットの秘訣を探っていくことにしましょう。

 

人気に火が付いた永谷園の「お肉マジックシリーズ」

 永谷園が8月4日に発売した「お肉マジック ひき肉・卵でチキンナゲット」が人気を博しています。

 もともと「お肉マジックシリーズ」は2012年2月に「豚バラスライスで角煮風」が発売されるや、簡単に本格的な料理が作れると主婦の間で話題となり、人気に火がついて「鶏唐風」や「チキン南蛮風」「ビッグつくね」「かつ煮風」が次々と発売され、今回の「チキンナゲット」で6品目となります。

 なぜ「お肉マジックシリーズ」はこれほどまでに人気を集めているのでしょうか?

 その秘密を掘り下げて、商品をヒットに導くマーケティング戦略を解き明かしていくことにしましょう。

 

“プラスワン戦略”で価値を生み出す

 マーケティングの基本はターゲット顧客を絞り込んで、顧客にとって価値のある製品を投入していくことです。

 この観点から、永谷園は「お肉マジックシリーズ」では、忙しい女性にターゲットを絞ります。最近では益々女性の社会進出も進んで、時間に余裕がなくなった家庭を持つ女性も増えてきています。炊事や洗濯、掃除など悠長に取り掛かれない人も多いことでしょう。自動掃除ロボットが爆発的なヒットを記録していることからも、その事実が裏付けられます。

 ここで、食事に関していえば、忙しければ出来合いのものを購入して来て食卓に乗せるということもできるでしょうが、最近では大手外食チェーンでさえ消費期限切れの原材料が混入するなど、何を信じていいかわからない時代なので、できる限り安心できる料理を食べたいという方も多くなっています。子供がいる家庭では尚更のことでしょう。いくら忙しくても出来合いではなく夫や子供に手料理を食べさせたいというのは女性の心理なのです。

 ただ、多くの女性は本格的な手料理を作りたいけれども、時間が足りないというジレンマに陥っているのではないでしょうか。

 そのような女性の期待に応えるべく、永谷園が提案した付加価値が“時短”。… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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