経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第17回)

新市場で「ドリル」を売らず「穴」で成功したカゴメ

2014.09.12 Fri連載バックナンバー

 人口の減少に伴い国内のマーケットは頭打ち状態が続いています。このような厳しい環境下、企業が成長を指向していくためにはどのような戦略が有効な手立てとなるのでしょうか?東南アジアで成功を収めたカゴメをケースに、適切な戦略を浮き彫りにしていきます。

 

飽和したマーケットで事業拡大を図る戦略とは?

 日本の人口は減少の一途を辿っています。総務省の発表した統計では、2008年の1億2,808万人をピークに減少傾向にあり、今年の8月には概算値で1億2,713万人と人口減少は益々加速しています。

出典:総務省統計局

 このような日本における人口減少がビジネスに与えるインパクトは大きく、現状多くの企業が成長の止まったマーケットで苦戦しているといっても過言ではないでしょう。

 それでは、この厳しい環境下で、企業が成長を追求するためには、どのような戦略が考えられるでしょうか?

 市場と製品を軸に事業拡大の戦略を検討するフレームワークに「アンゾフのマトリクス」と呼ばれるものがあります。

 市場を「既存市場」と「新市場」、製品を「既存製品」と「新製品」に分ければ、企業はまずは既存市場において既存製品を販売していくことが成功への近道といえます。この戦略は「市場浸透戦略」と呼ばれています。

 ただ、この「市場浸透戦略」で既存市場を攻略していくと、次第にマーケットが飽和して、既存市場での販売が頭打ちとなってきます。そこで企業は成長を持続させるためには事業を拡大していかなければならないのですが、リスクを低くして事業拡大を図るためには2つの方向性が考えられます。

 一つは既存市場、すなわち既存のお客さまに新製品を販売する戦略です。既存のお客さまであれば、すでに信頼を得ていますので、新しい製品であっても購入してくれる確率は高まります。これは「新製品開発戦略」と呼ばれています。

 もう一つは、… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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