経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第16回)

マクドナルドとケンタッキー、危機対応で分けた明暗

2014.08.28 Thu連載バックナンバー

 中国で発覚した使用期限切れの鶏肉を使用していた問題は、世界の多くの外食産業に影響を与えました。今回は日本における事件の影響を検証し、危機対応で明暗を分けた企業の背景を分析していくことにしましょう。

 

世界の外食産業を騒然とさせる大事件が勃発

 2014年7月、世界中の食に関わる企業を震え上がらせる事件が明るみになりました。

 世界有数の食肉加工企業「OSI」のグループ会社である「上海福喜食品」において、使用期限の切れた鶏肉を混ぜたものや床に落ちた不衛生なものが出荷されていた事実が公表され、責任者や品質担当幹部ら5人が逮捕される事態まで発展したのです。

 この事件を受けて、「OSI」と深い関係にあったマクドナルドは7月、世界における既存店の売上高が前年同月比2.5%減少するなど、そのビジネスに暗い影を落とします。

 また、マクドナルドと並んで今回の事件で大きな影響を受けた企業が、「ヤム・ブランズ」。企業名からはあまり馴染みがないかもしれませんが、ケンタッキー・フライド・チキンやピザハットを傘下に持つ、グローバルで手広く事業を展開する巨大企業です。

 ヤム・ブランズは、中国ではマクドナルドを超える規模でフランチャイズチェーンを展開しているという事実を踏まえると、まさに今回の事件で最大の被害を被った企業といっても過言ではないでしょう。

 

日本にも飛び火した食の安全問題

 今回の事件は中国で起こった対岸の火事ではなく、日本にも飛び火しました。

 特に影響を受けたのは、事件の発端となった企業から食材を仕入れていたファミリーマートと日本マクドナルド。

 ファミリーマートは、「ガーリックナゲット」と「ポップコーンチキン」を上海福喜食品に製造委託していましたが、事件発覚後これらの商品の販売を中止。これまで購入した顧客に対してはレシートを持参すれば返金することを決定します。

 一方、マクドナルドも使用期限切れ鶏肉の使用の可能性のある「チキンマックナゲット」などのチキン関連メニューの販売を一時見合わせ、原材料の仕入れ先を急遽タイなどに変更して事態の収拾を図ります。

 また、今回の事件は、上海福喜食品とは直接取引のない企業にまで影響を及ぼします。… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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