経営者が知っておきたいビジネス理論入門(第13回)

値上げの落とし穴にはまらないためのプライス戦略

2014.07.10 Thu連載バックナンバー

 原材料費や運賃、人件費の高騰で企業は値上げに走らざるを得ない状況に追い込まれていますが、単純な値上げは顧客離れにつながっていきます。今回はそんな値上げの落とし穴にはまらないためのプライス戦略を紹介していくことにしましょう。

 

相次ぐ値上げで企業がはまる落とし穴とは?

 最近、値上げが相次いでいます。

 ユニクロは、6月末から全商品を順次5%前後値上げすることを発表。7月に入っても、1日には日本ハムや伊藤ハムがハムやソーセージを平均10%、雪印メグミルクがバターをおよそ2%値上げしました。また4日からは、JALやANAが一部の路線で航空運賃を1.5%を超える値上げを実施。そして、8日には明治や森永製菓がチョコレートなどのお菓子の内容量を減らす実質値上げを予定しています。

 このように多くの業界で値上げラッシュとなっているのです。

 これまで日本経済は長い間、デフレスパイラルに陥り、商品価格の下落が続いてきました。

 ところが、安倍首相がそれまで日本経済を悩ませ続けたデフレ経済に終止符を打つべく“アベノミクス”と呼ばれる経済政策を実施すると円安が加速し、円ベースでの原油価格や原材料費の高騰を招きます。加えて景気の回復感から人件費なども上昇し、多くの企業で値上げをしなければ利益を確保できない状況に追い込まれてきたのです。

 日本銀行も物価上昇目標を2%に設定しており、今後も相次ぐ値上げは避けられないところでしょう。

 ただ、値上げは企業の売上に直結するので、慎重な対応が求められます。決して値上げをしたからといって売上が上がるわけではないのです。

 たとえば、吉野家は消費税の増税に合わせて2014年4月それまで1杯税込280円だった牛丼を20円値上げして300円にしました。わずか20円の値上げですが、顧客は敏感に反応… 続きを読む

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安部 徹也

安部 徹也

株式会社 MBA Solution 代表取締役

株式会社 MBA Solution 代表取締役。2001年MBAを取得後、経営コンサルティングの事業で起業。近著に『最強の「イノベーション理論」集中講義』 (日本実業出版社)や『ぐるっとマーケティング』(すばる舎リンケージ)などがある。

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