最近のハラスメント問題から考える(第5回)

パワハラ問題の解決について~影響把握と処分の検討

2014.02.13 Thu連載バックナンバー

 前回、ハラスメント問題に取り組まれている企業の担当者から寄せられる相談の中で最近増えている問題と解決についてお伝えしました。今回も相談事例を参考にしながら、ハラスメント問題の影響の把握のポイントと処分検討の留意点について伝えしたいと思います。

 

影響の把握~個人への影響~

 ハラスメント問題を解決するにあたり、何があったのか、起きたのか、という事実確認を行い、また、その事実が業務において必要であったか、適正な範囲であったか、ということがハラスメントかどうかの判断において重要なポイントとなりますが、起こった事実だけでなく、その事実の結果、相談者本人へどのような悪影響があったのかを確認する必要があります。

 ハラスメントの相談では、当事者ではない第三者から「○○さんがいじめを受けているようだ。何とかしてほしい」などという通報が入ることがありますが、当事者から直接、問題とその悪影響についての訴えや事実確認の要請がなければ、即、ハラスメント問題として解決プロセスの俎上に乗せることはできません。けれど、「第三者である通報者自身にとっても、職場環境が悪く働きにくいという直接的な悪影響を受けている」という当事者の視点で問題解決にあたることは可能でしょう。

 ただし、たとえ第三者からの通報であり、通報者にその時、直接の悪影響や被害が及んでいないとしても、刑法や労働法に抵触するなど企業として放置できないほどのコンプライアンス上の問題があるとしたら、被害者の申告がないまま調査を行う必要があります。

 また、被害者本人が、行為者からの報復を恐れるあまり積極的な問題解決を望んでいなくても、継続的な嫌がらせや暴力行為があると思われる場合、放置することは当事者にとっても会社にとっても重大なリスクにつながります。その場合、被害者には時間をかけて問題解決の重要性を説明し、同意の上でプロセスを進める必要があります。被害者が、積極的な問題解決を望まないという事実の背景にある不安や心配についてしっかりと受け止め、それらを払拭できるような説明ができるよう、会社の体制を整え、問題解決のルールを整理しておくことも重要です。直接の被害者、関係者に不利益が生じないよう、慎重の上にも慎重を期す必要があることは言うまでもありません。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

古谷 紀子

古谷 紀子

株式会社クオレ・シー・キューブ 取締役

クオレ・シー・キューブ:メンタルヘルスやハラスメント問題の相談、研修を行うコンサルティング会社。「パワーハラスメント」という言葉と定義を創り、特にハラスメント対策の専門機関として、広く知られている。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter