Back to 90’s~覚えてますか? あの言葉(第1回)

あいまいなバブルの終末 1990年

2013.10.07 Mon連載バックナンバー

 世紀末でもあり、インターネットの黎明期でもあり、21世紀まで続く不況の入り口でもあった90年代。まだ20年ほどしか過ぎていないのに、「こんなに昔?」と感じてしまう小さなタイムトリップへでかけましょう。今回は「1990年編」です。

 

家中全部、「ファジィ家電」だった

 90年を代表するバズワードとして、まず思い浮かぶのがファジィ。1990年の流行語大賞にも選ばれましたが、いまでは見事に死語の仲間入り。その単語を聞くことはほとんどありません。テレビに出ているタレントさんもみんなファジィファジィ連呼していたというのに。バブル最期の徒花……といったところでしょうか。
 ちなみに、ファジィ論理は「あいまい」理論として有名ですが、1965年に発表されてからしばらく数学界からは無視されており、その応用技術として花開いた場所がのちの日本だったとのこと。まだ独自技術を開発する気概があったというべきか、ガラパゴス化の端緒というべきかはなんともいえません。
 当時家電製品といえば、ほとんどファジィ制御だった、といっても過言ではありません。信じられないような話ですが、ファジィといえば売れたのです。
 掃除機の吸引力も、洗濯機の洗い方も、炊飯器の炊き方も、エアコンの温度調節も、冷蔵庫の冷やし方も、みんなファジィ制御でした。
 人間の「経験」や「勘」をプログラミングできる、とされたファジィですが、そんな素晴らしい制御ができるのなら、なぜいまはないの? と思った方。じつは、なくなったのではなく当たり前になりすぎて売り文句にならない、ということのようです。
 有名なところでは、エレベーターの制御や仙台市の地下鉄など。また自動車用のLSI、カメラの自動焦点の制御など幅広く使われています。

 

「電子書籍」が、すでに発売されていた

「電子書籍」が、すでに発売されていた ちょっと驚いてしまうのですが、1990年にソニーから電子ブックプレイヤー「データ・ディスクマン」DD-1が発売されています。
 用意されたコンテンツは『広辞苑』など辞書系が多く、現在の感覚からすると電子辞書に近い、というか電子辞書なのですが、8センチCD-ROMに入ったコンテンツを前方一致・後方一致などで検索できて便利でした。また辞書以外にも薬の種類が分かるピルブック、宿泊情報、CDブックなどそれなりに充実していたようです。その後競合各社が似たような端末を発売して、結果、ジャンルとして電子辞書に落ち着き現在に至るようです(※ソニー自体はもう電子辞書事業からは撤退しています)。
 販売時価格は58,000円とこちらも現在の感覚からするとお高め。広辞苑ディスクも7,725円。いろいろとコンテンツを足し上げていくと結構な金額になったようですね……ちなみにデータ・ディスクマン用のブリタニカ国際大百科事典ディスクは10万円だった模様。やっぱりね、まだ1990年はバブルだったんです……。
 1号機は現在でもソニーのサイトにアーカイブされていますのでご参照ください。またサイトにはサポートのためか、まだ電子辞書のページも残されています。

 この端末が電子辞書として最期を迎えるのではなく、電子書籍としてコンテンツを拡充していたら……と勝手な妄想をしてしまいます。ソニーさんとしてはそう考えていたフシがありありなんですけどね。20年以上前にそれらしきものが登場していながら、まだ電子書籍が一般に普及しているとはいえないのですから、僕の目の黒いうちはこのままなんじゃないか、という気もします。… 続きを読む

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棕澤 和宏/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

棕澤 和宏/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

広告制作会社エコトバ 代表取締役

業界デビュー作がJ-WAVEのネーミング。以来コピーライターとして20年以上キャリアを積むが、最近はコピーライティングの知識を生かしたWEBサイトのコミュニケーションプランの提案に軸足を移しつつある。

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