一時の感情に流されないために

「ミドルエイジ・クライシス」をうまく乗り切るコツ

2017.10.31 Tue連載バックナンバー

 「ミドルエイジ・クライシス」という言葉をご存知でしょうか。「中年の危機」とも呼ばれ、40歳前後の世代が自分の人生を振り返り「このままでよいのか」と不安や葛藤を抱え、うつ状態になったりする、不安定な状態のことを指します。

 なぜこの世代は、ミドルエイジ・クライシスに陥ってしまうのでしょうか。今回はその理由を探り、ミドルエイジ・クライシスから逃れる方法を解説します。

 

ゴーギャンもミドルエイジ・クライシスだった?

 ミドルエイジ・クライシスという言葉を知らなくても、「ゴーギャンコンプレックス」という言葉を知っている人も多いかもしれません。ミドルエイジ・クライシスもゴーギャンコンプレックスも、いずれも40歳前後にありがちな心の葛藤をあらわす言葉です。

 ゴーギャンコンプレックスは、フランスの画家であるポール・ゴーギャンを由来としています。ゴーギャンはもともと実業家であり、画家としてもフランスで活躍しながら、40代になると妻子を手放し、タヒチに移り住みました。

 ゴーギャンに限らず、人間は40歳を越えると、こうした悩みを抱えがちです。仕事や家庭など守るものが増えている中で、「このままでよいのだろうか」という何とか現状を変えたいという欲求と、そうはいっても「どうにもならない」という現実の中で、葛藤が起こるのです。

 人生を24時間と仮定し、この時期までを人生の午前とすると、40歳頃は、ちょうど正午にあたります。この世代に不満と欲求が重なるのは、これからの人生の“午後”に向かって、新たな指標が必要になるからです。がむしゃらに一生懸命やってきた人は、自分自身を改めて振り返るタイミングになり、これまでなんとなく生きてきた人も、このままでよいのかと焦りを感じるタイミングとなります。

 もちろん、「本当の自分自身を取り戻したい」という欲求は、どの年代の人の心にもあるものです。しかし40歳前後になると、「まだ、今なら何とかなる」「これを逃したら先がない」と、精神的に追いつめられやすい傾向があります。「自分の人生このままでよいのだろうか」という不安、「自分は、今、幸せなんだろうか」という現状への不満、「やりたいことがまだまだある」このままでは終われないという焦りが重なり、現状を変えたいという強い衝動が生まれます。

 具体的には、離職、転職、離婚のように大きく環境の変化を伴う行動に出やすくなります。最近は晩婚化が進んでいるので、「一生独身でよい」と思っていた人たちが結婚するといったケースも増えています。

 しかし、その強い衝動が叶わない場合や、気持ちの整理がうまくできない場合、… 続きを読む

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大野 萌子

大野 萌子

一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ(R)資格認定機関)代表理事、企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関等で年間100件以上の講演・研修を行う。著書、メディア出演多数。

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