高校野球の名監督に学ぶ

公立高校を甲子園連覇に導いた、名監督の「笑顔」

2017.08.12 Sat連載バックナンバー

公立高校が甲子園で起こした奇跡

 甲子園ではいま、高校球児たちの熱い戦いが繰り広げられている。最近では公立高校の活躍も目立ちつつあるが、出場チームの多くは、過去に何度も出場経験を持つ私立高校である。

 たとえば過去に春夏の甲子園連覇を達成した高校はこれまでにも7校あるが、そのうちの6校が私立高校である。公立高校による春夏連覇ははわずか1校であり、和歌山県の県立箕島高校である(1979年)。

 公立高校の野球部は、人材面においては私立校に比べて極めて厳しい環境に置かれている。所属する選手のほとんどは地元の生徒に限定され、しかも地域内でも特に優秀な人材は、他地域の強豪私立校にスカウトされてしまうからだ。だが箕島高校は、それを乗り越えて偉業を達成した。

 箕島高校は、甲子園における5回の延長戦すべてに勝利を収めていることでも知られている。箕島高校による5度目の「奇跡」の翌日、作詞家の阿久悠氏はスポーツ紙にこう記した。

 「奇跡と呼ぶのはたやすい。だが、奇跡は一度から奇跡であって、二度起こればこれは奇跡ではない」

 公立高校である箕島が、甲子園という大舞台で活躍できたのはなぜか。チームを率いた、尾藤公(びとうただし)監督のチームマネジメントを分析する。

 

三振してもエラーをしても、選手を怒らない

 箕島高校は、和歌山市の南、有田市の県立高校である。のちにプロで活躍する東尾修氏、吉井理人氏も、同校で尾藤監督の指導を受けている。

 尾藤監督が同高校の野球チームを率いていたのは、1966年~1972年と、1974年~1995年の約30年間。うち夏大会は6回、春大会は8回出場し、夏に1度、春に3度の優勝を成し遂げている。

 その指導の特徴は、基本的には「スパルタ」である。当時としてはさほど珍しくはない指導法であるが、それはあくまで練習だけであり、試合中は… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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