年齢からくる衰えに負けないために

羽生善治に学ぶ、40歳を過ぎても一流を維持する方法

2017.06.19 Mon連載バックナンバー

 人間は当然ながら、必ず年を取ります。一般的に年齢が上になればなるほど、体力面に対する不安から、自分の限界を感じてしまいやすいものです。

 その一方で、40歳を超えてもなお、一流として活躍し続ける人も存在します。たとえば将棋界では、10代のデビューから一流棋士として活躍し続ける羽生善治三冠もそのひとりです。

 同氏の著書「40歳からの適応力」によれば、羽生氏は年齢からくる衰えに、ある方法で対抗しているといいます。

 

年を取ることは新しい定石を知ることである

 本書は、自身の40年の経験を振り返り、これからの時代に適応していくためにはどのようにするべきかについて、1つの考え方を示したものです。羽生氏はその中で「豊富な経験を役立てること」が重要と説明しています。

 経験を積んでいれば、どんな想定外のことが起こったとしても、直ちに過去のケースと照らし合わせて、答えを見つけ出すことができます。たとえば将棋の世界には、「定石」という言葉がありますが、これはまさに、棋士たちが積み重ねてきた経験の積み重ねです。そのため、定石を知っているということは、目の前で起こったことを過去の例と比較し、それに類似したケースと比較し、どのような一手を指すべきかが見つけられることになります。

 羽生氏は、問題に直面した時に対処する力は、一朝一夕に身につけられるものではなく、たくさんの経験をしていく中で習得する「知恵」であると述べています。つまり、経験を重ねれば重ねるほど、新たな定石を知り、強くなれる、ということになります。年を重ねることは、決してマイナスではないのです。

 

結果よりもプロセスが大事な理由

 一方で羽生氏は、経験を活かすだけではなく、その過程におけるプロセスを重視することも欠かせないと語っています。

 将棋のような勝負の世界では、勝ち負けははっきりしています。そのため、「勝った」「負けだ」の結果だけで評価をされてしまうものです。羽生氏が所属する日本将棋連盟でも、最高位である「A級」に在籍し続けるためには、他のA級のメンバーと戦い、勝ち続ける必要があります。負け続ければ、下位のクラスに降格してしまいます。

 しかし羽生氏は、本書で「10代の前半の頃は結果がすべてと思っていましたが、徐々に内容を重視する方向へと変わって行きました」と述べています。

 羽生氏が内容を重視するようになった理由に、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

Bizコンパス編集部

Bizコンパス編集部

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter