ゼロから学ぶゲーム理論ビジネス活用法(第1回)

お家騒動もSMAP解散問題もゲーム理論で解決できる

2017.06.08 Thu連載バックナンバー

 ビジネスの現場は、さまざまな人間関係の上に成り立っており、常に相手の立場や気持ちを考える必要がある。

 こうした相手の立場や気持ちを知るための手助けとなるのが、「ゲーム理論」だ。ゲーム理論とは、「複数人の意思決定によって行われる集団の行動を数学的にとらえる理論」のことである。少々難しく聞こえるが、東京大学の経済学研究科の松井彰彦教授曰く、「人間関係を分析する学問」だという。

 まさにビジネスをうまく回すために最適な学問ではあるのだが、ゲーム理論は本来、大学や大学院で学ぶ高度かつ難解なものである。

 そこで今回は、松井教授自身がゲーム理論をわかりやすく解説した書籍「高校生からのゲーム理論」(ちくまプリマー新書)を参考に、ビジネスに役立つゲーム理論を紹介しよう。

 

じゃんけんもゲーム理論のひとつである

 ゲーム理論の始まりは、20世前半に遡る。ハンガリー出身の数学者であったフォン・ノイマン氏は、人間関係の分析を科学に仕立て上げようと考えた。しかし、いきなり複雑で難解な人間関係を分析することは容易ではない。そこで、まずは「じゃんけん」のように、相手を倒せば自分が得をするというわかりやすい状況の分析からスタートした。これがゲーム理論の始まりだ。

 じゃんけんを分析する中で、ノイマン氏が発見したのが「ゼロサム・ゲーム」である。これは、勝った人と負けた人の総和が必ず「0」で終わるゲームのことである。

 じゃんけんでは、互いに出せる手はグー・チョキ・パーの3手なので、組み合わせは3×3=9通り、勝敗のケースとしては「Aの勝ち・Bの負け」、「Aの負け・Bの勝ち」「引き分け」の3パターンとなる。そこでその勝敗に、勝者に1点、敗者に-1点、引き分けは両者0点という点数をつけると、(A・B)の点数は、(1・-1)(-1・1)(0・0)の3パターンとなる。つまり、どのケースになってもA+B=0の式となり、ゲームの総和はゼロになる。

 極めてシンプルな理論であるが、ビジネスの現場では、このゼロサム・ゲームのようなケースはあまり見られない。何故なら、誰もが勝つことを望み、簡単に勝ちを諦めないからである。勝ち負けの総和も、必ずしも「ゼロ」になるとは限らない。

 実際には、これから紹介する「チキン・ゲーム」のように、どちらかが引き下がるまで、意地を張り合うという、不毛な争いをしてしまうケースが多い。

 

「チキン・ゲーム」にどうやって勝つのか?

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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