睡眠と意思決定の関係性

「一晩寝かせる」ことで、意思決定は難しくなる?

2017.06.05 Mon連載バックナンバー

 リーダーが意思決定をする際、即判断するか、一晩寝かせてじっくり考えたうえで判断するのかは、悩ましいところです。

 即決すれば、余計な時間がかかりませんが、その場の勢いや雰囲気に飲まれて、判断ミスをしてしまう恐れもあります。睡眠を挟んでじっくり考える方が、冷静に決断ができそうです。

 しかし、睡眠と記憶の関係について研究を進めているマサチューセッツ大学アマースト校のレベッカ・スペンサー氏らは、ハーバード・ビジネス・レビュー誌において、「一晩寝かせて決断する場合の方が、意思決定がより難しくなる」という驚きの研究結果を発表しています。一体、どういうことなのでしょうか。

 

「一晩寝かせた」決断には満足できない?

 レベッカ氏らは、その日のうちにした決断と、一晩寝かせてからした決断の質の違いを調べるために、ノートパソコンのケース(以下、PCケース)の購入をモデルとした実験を行いました。

 実験では、2つの集団に複数のPCケースの長所と短所の情報を同じように与え、その12時間後に3つの質問に回答させました。質問内容は「どのPCケースを購入しようと思うか」「それぞれのPCケースをどのように評価するか」「PCケースを選ぶ際の自分の決断にどの程度満足しているか」というものでした。

 この際、集団によって、PCケースの情報を与えるタイミングと、回答を得るタイミングを変えました。一方の集団には、夜寝る直前に情報を与えて、一晩寝かせた翌日回答を得ました。もう片方の集団には、朝に情報を与え、同じ日の夜に回答を得ました。

 すると、一晩寝かせて決断した人の方が、同じ日のうちに決断した人よりも、自分の下した決断に満足していないという結果が出たのです。

 

一晩寝かせると、ポジティブな情報の方を覚えている

 レベッカ氏らは、一晩寝かせた人の方が自分の決断への満足度が低いのはなぜなのかを探るべく、実験結果をより細かく分析しました。

 すると、一晩寝かせて決断した人の方が、同じ日のうちに決断した人よりも、それぞれのPCケースの特徴をより詳細に覚えていることがわかりました。さらに、… 続きを読む

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前野 智子

前野 智子

フリーライター。大企業・ベンチャー双方での就業経験や海外でのビジネス経験を活かし、ビジネス関連記事やインタビュー記事等の執筆を手掛ける。

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