プロ野球の勇士に学ぶ「仕事の生き様」(第2回)

桑田真澄に学ぶ、厳しい世界で目標を達成する方法

2016.01.28 Thu連載バックナンバー

 昭和育ちのビジネスパーソンにとって、憧れの存在のひとつが「プロ野球選手」。テレビやスタジアムで観戦し、期待通りの結果を出した選手に熱狂したり、逆にチャンスをフイにした選手に落胆した人は少なくないだろう。

 しかし、華やかな舞台に立つ彼らもまた、球団からお金を貰い、仕事をこなすという点では、我々と同じビジネスパーソンである。

 本連載では、栄光の裏にある彼らの生き様に迫り、ビジネスパーソンとして学ぶべきポイントを探る。第2回目では、清原和博との「KKコンビ」で、甲子園を、さらにはプロ野球界を沸かせた名投手・桑田真澄を取り上げる。

 

なぜ桑田は巨人で引退しなかったのか

 桑田の才能は高校時代から図抜けていた。PL学園時代は3年間で春夏合わせて5回大会連続で出場し、チームの2度の優勝に貢献している。その成績は「20勝3敗」。荒木大輔(12勝5敗)や松坂大輔(11勝0敗)といった歴代甲子園のエースの中でも圧倒的な勝利数を残している。

 プロ入り後も1986年から2007年までの22年間に渡り活躍。うち21年間を読売巨人軍で過ごし、7度のリーグ優勝と4度の日本シリーズ優勝に貢献した。中でも1994年、中日ドラゴンズとの「10.8決戦」でセーブを挙げ、マウンドでガッツポーズをとったシーンは、多くの人びとの記憶に残っているだろう。個人としても、最優秀防御率(1987年、2002年)、最多奪三振(1994年)のタイトルを獲得している。

 しかし最後の1年間だけは、アメリカ大リーグに挑戦。その狙いは「アメリカの野球をメジャーからマイナーまで直接見て、その後の野球人生に役立てること」だった。

 桑田がアメリカに飛んだ目的は、引退後に日本の野球をさらに素晴らしいものにすることだった。野球に対する桑田の関心は、勝敗でもなければ、個人成績でもない。好きな野球を楽しむことであり、野球によって人間的に成長すること、育ててもらった野球へ恩返しすることである。

 そのために必要なこと。それが、日本の野球全体に対するアンチテーゼだった。

 

日本の「型」は本当に正しいのか?

 桑田が日本の野球界に対して抱く不満は、主に日本の指導者、あるいは指導法に対してである。以前、日本のラグビーやテニス界における日本の常識へのアンチテーゼを紹介したが、桑田の主張はこれらと本質的に同じ問題提起である。つまり、日本に横たわる、歪んだ考え方や習慣を変えることである。

 以前掲載した記事「なぜラグビー日本代表はW杯で活躍できたのか?」では、型を重視する野球は日本が世界的に強く、得意とする球技であると紹介した。事実、日本はWBCで2度の優勝、オリンピックで銀メダル1つ、銅メダル2つという強豪国である。しかし、日本プロ野球の一流選手がメジャーリーグに流出し続ける現状を考えると、選手の目にはメジャーリーグ(MLB)の方が、日本よりも一枚上に映っているのは間違いない。

 では、日本の野球界には何が足りないのか? 桑田は野球のきめ細かさや礼儀正しさ、フェアプレーという観点では、日本が世界一だとしながらも、… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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