今宵行きたい、名物女将のもてなす店(第7回)

【本郷三丁目】若き姉妹が支え合う小料理店

2016.02.28 Sun連載バックナンバー

姉妹が息を合わせて切り盛りする

 ピンクの壁に、同色ののれんが掲げられた小料理店「暁 ~AKATSUKI~」。ここを切り盛りするのは本村秀美さん、里美さんだ。

 「よく友人同士で店を開いたのかと言われるんですけど、姉妹なんですよ」とにっこり笑う。姉の秀美さんが接客を、妹の里美さんが調理を担当している。

 二人ともまだ20代だが独立開業、もともと飲食関係に縁があったのかと水を向けてみると、「家族も親戚も、ひとりも飲食関係に就いているものはいません、私たちだけです」という答え。

 姉の秀美さんは、高校一年時から飲食業でアルバイトを始め、大学卒業後は大手飲食チェーンの社員をしていたという。一方、里美さんは幼いころから魚好き。中学生の頃から、家族が釣りでとってきた魚を調理する役目だった。それが高じて調理師専門学校に入学。卒業後はその講師補助をしていたという。

 「もっとお客さまと関わる仕事をしたい」と秀美さんが独立を持ちかけ、それに「目の前で食べてもらって直接感想を聞きたい」と里美さんが応えて、1年ほどの準備期間を経て2015年5月に店を構えた。

 

ふらりと歩きたくなる商店街に店を構えて

 本郷三丁目の名所といえば東京大学だが、オフィスビルと古くから続く商店とが軒を連ねる、新旧が合い混ざる地域で、「本郷も かねやすまでは 江戸のうち」と川柳に詠われた、江戸時代から続く雑貨店「かねやす」も健在だ。

 本村姉妹もこの地にゆかりがあるのかと思いきや、まったくないとのこと。元々、恵比寿や渋谷で物件を探していたが、偶然、本郷の物件を見た時にその雰囲気を気に入り、「この街にしよう」と決めたそう。

 その後、何軒か本郷界隈の物件を見て決定。「暁」は商店街に面しており、古くからある文房具店や寿司店、ビストロなどが並ぶ。「暁」の2軒隣は鰹節を扱う「鵜飼商店」がありと、昔ながらの商店街ならではのゆったりとした雰囲気。ふらっと散策にももってこいの場所だ。

 

温かな雰囲気の中で技ありの一品をいただく

 寿司店のような白木のカウンター内に立つ里美さんが丁寧に調理し、料理を秀美さんに渡す。

 この日の「刺身盛り合わせ」(1,382円)は… 続きを読む

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松岡 芙佐江

松岡 芙佐江

フードライター

フードライター歴12年。グルメ雑誌編集部勤務を経て独立し、フリーランスに。居酒屋からフレンチ、イタリアンまで、店舗紹介記事や食べ歩きルポを執筆。企業誌で、スイーツのレシピ記事なども担当している。

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