今宵行きたい、名物女将のもてなす店(第5回)

【入船】女店主がこだわった、気取らぬ家庭料理

2016.01.22 Fri連載バックナンバー

ほっと一息つきたいときに訪れたくなる店

 居酒屋、小料理屋に行く際に何を求めるだろうか。料理人の華麗な手さばきを眺め、高価な食材に舌鼓を打つ。それもいいだろう。

 だが、気取らぬ料理をじんわりと楽しみ、酒を片手にほっと和む。それを望む方にお勧めしたいのが、入船にある『ウケヅキ ~和酒とふるさと食材の店~』だ。

 八丁堀駅と新富町駅のちょうど中間地点に店を構えるウケヅキ。その目印は、窓際にずらりと並べられた日本酒の瓶だ。派手な看板はないが、その様子に惹かれてふらりと訪れる客も多いという。

 『ウケヅキ』が開店したのは2013年7月。店主の神崎理絵さんは、飲食関係とは縁のない世界で働いていたという。いつかは飲食店を経営していたいと思っていたが、それはオーナー側として。調理などはスタッフに任せ、接客や経営を担当したいと思っていたそうだ。

 「店を開くなら今だ、というタイミングが不意に訪れて、そうしたらこの物件も見つかって。決まってから、どういうお店にしようと考えて、もう自分でやってみてしまおうと始めました。メニューもお客さんの感想を取り入れつつ、今の状態になったんです」と大らかに笑った。

 

“街の酒屋でも買える酒”を置く理由は?

 この店の酒は、いろいろな種類を飲んでほしいからと、日本酒もワインも、すべて90mlから提供される。

 中でも日本酒は8種ほど。一本ずつ仕入れるため、飲みきると品揃えは都度変わる。神崎さんは、休日のたびに酒店を何軒も巡り、自分が飲みたいと感じたもの、納得したものを、日本酒と焼酎の2つのきき酒師の資格を持つスタッフと協議しつつ仕入れるという。

 店に並べる日本酒には、ある条件がある。それは「街の酒屋でも買える」ということだ。

 店で飲むのなら、普段は飲めない、なかなか手に入らない酒をと思う客も多いだろう。しかし、ウケヅキはあえてそうはせず、街の酒屋で購入できる酒を揃えている。… 続きを読む

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松岡 芙佐江

松岡 芙佐江

フードライター

フードライター歴12年。グルメ雑誌編集部勤務を経て独立し、フリーランスに。居酒屋からフレンチ、イタリアンまで、店舗紹介記事や食べ歩きルポを執筆。企業誌で、スイーツのレシピ記事なども担当している。

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