今宵行きたい、名物女将のもてなす店(第4回)

【人形町】ミシュランも認めた、下町情緒と絶品料理

2015.12.28 Mon連載バックナンバー

江戸の粋が感じられる街、人形町に店を構えて

 江戸の中心であった日本橋にある、歴史と伝統を持つ街「人形町」。「水天宮」や「明治座」、「甘酒横丁」があり、江戸時代から続く工芸品店や、高名な老舗料理店が軒を連ねる街だ。東京の中心にありながら、下町の雰囲気も持つ粋な場所である。

 その一角、黒塀の続く路地に「いわ瀬」がある。そこは風情あるしつらえの古民家、中では和服で迎える女将や、見事な細工の欄間(らんま)に年代物の家具、ふすまに描かれた日本画が客を迎えてくれる。この上、明治時代の酒器や江戸切り子、大正から明治にかけて作られた手描きの食器でいただく料理、優雅なもてなしの雰囲気をもとめて、連日予約がひっきりなしだ。

 

女将が路地に惚れ込み、大将の夢をかなえた

 「いわ瀬」の開店は2006年。現在、女将、大将、料理長が主となり、ほか数名のスタッフで切り盛りしている。女将と大将が店を始めたときは、飲食業に携わってきたふたりが満を持して独立と思いきや、全くの素人だったという。

 女将の前身はジュエリーデザイナー、大将は、元々大工。料理上手な大将の持っていた「いつか店を持ちたい」という夢をかなえる形でスタートしたという。

 雰囲気のある街で店を構えたいと探し出したのが、人形町にある築80年の古民家だ。大通りからちょっと入った場所にあり、静けさが漂う。

 「この場所に惚れ込んでしまったんです」と女将。

 大家の元に通い詰めて説得し、その熱意に打たれた大家が了承。そして店の内外装を女将がデザインし、大将が作業してそのデザインを実現、二人三脚で作り上げた店である。

 

天然物を使用した、破格のコース料理… 続きを読む

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松岡 芙佐江

松岡 芙佐江

フードライター

フードライター歴12年。グルメ雑誌編集部勤務を経て独立し、フリーランスに。居酒屋からフレンチ、イタリアンまで、店舗紹介記事や食べ歩きルポを執筆。企業誌で、スイーツのレシピ記事なども担当している。

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