今宵行きたい、名物女将のもてなす店(第3回)

【神楽坂】若き”女亭主”が打つ、香り高い蕎麦に舌鼓

2015.12.11 Fri連載バックナンバー

弱冠30才の亭主が打つ蕎麦

 神楽坂の路地裏にたたずむ小体な蕎麦店「蕎楽亭もがみ」。こちらの亭主である最上はるかさんは現在30歳。なんと26歳の時にこの店を構えた、新進気鋭の蕎麦職人だ。

 最上さんが修業したのは「蕎楽亭」。飲食店が多く立ち並ぶ神楽坂界隈においても、「蕎麦ならばここ」と食通に支持される屈指の名店だ。その修業で身につけた味を堪能できるのが「蕎楽亭もがみ」である。

 店の片隅には石臼と蕎麦打ち台が設置されており、福島県会津産の玄蕎麦を取り寄せて石臼挽きに。そして、毎日欠かさず約30食の蕎麦を打つという。

 アルバイトもいるが、蕎麦打ちはもちろん、全ての調理は彼女一人が担当する。敏捷な身のこなしで蕎麦をゆで、天ぷらを揚げ、「やっと常連さんの顔と名前が覚えられてきました」とほほえんだ。

 

とにかく自分の店が持ちたかった

 なぜ若き女性が蕎麦店をと尋ねたところ、最上さんが店を持つ夢を持ちはじめたのは高校生の頃からという。

 「とにかくずっと自分の店がほしいと思っていたんです。当初はカフェとか考えていたんですが、成人してからお酒にも興味が出て、お酒を出す店もいいと思い始めました」

 その道を決定づけたのは大学3年生の就職活動の時だ。

 「自分の本当にやりたいことを改めて考えたときに、やはり店を持つことだと思ったんです」

 その時考えたのは、和食で、酒に合い、万人に愛される料理。そして蕎麦・寿司・おでんに候補が絞られ、いろいろ熟考した末、蕎麦職人を目指すことを決めた。

 「今は両親に応援されていますけど、当時は反対されましたね」

 親心を考えればその気持ちもわかるが、その声に負けず修業先を探すべく蕎麦を食べ歩いたという。そして、ついに出会ったのが、… 続きを読む

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松岡 芙佐江

松岡 芙佐江

フードライター

フードライター歴12年。グルメ雑誌編集部勤務を経て独立し、フリーランスに。居酒屋からフレンチ、イタリアンまで、店舗紹介記事や食べ歩きルポを執筆。企業誌で、スイーツのレシピ記事なども担当している。

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