今宵行きたい、名物女将のもてなす店(第11回)

【下北沢】夫婦が作り出す、ふらっと入れる美酒の店

2016.06.29 Wed連載バックナンバー

若者の街の中に、大人の落ち着ける店あり

 小劇場やライブハウスがあり、古着を求める若者が集う街、下北沢。活気あるが雑多な街とであるというイメージ抱く人が多いのではないだろうか。しかしそんな街にも、日本酒と料理をゆっくり楽しめると評判の酒亭がある。それが、「こうぜん」だ。

 「こうぜん」は下北沢駅から徒歩5分ほど。壁には木彫りの看板がかかっている。ご主人の北原宣明さん、女将の真知子さん夫妻がメインで切り盛りしている。

 三軒茶屋の銘酒居酒屋「赤鬼」で10年近く勤めていた宣明さんが独立しようと決意、「こうぜん」を開店したのが2012年1月、4年半前のことである。それまでずっと飲食業に勤めていた真知子さんがホールと接客を担当することに。しかし、真知子さんが勤めていたのはカフェ。かなり勝手が違ったため、最初は苦労したという。特に、日本酒の差異を客に説明できるように、とにかく勉強を重ねた。

 宣明さんが選ぶのは火入れをしていない生の日本酒だ。常に15~20種ほどが店に置かれる。「もともとお酒を飲むのは好きだったので」と言いつつ、真知子さんは丁寧に試飲し、その味や香りなどの特徴などを捉えるように心がけている。今も新しい酒が入る度にきちんと試飲して学び続けているという。

 静かな雰囲気の宣明さんと明るい笑顔の真知子さん、息がぴったりに見えるが、実は共に働くのは初めて。なかなか勝手がわからず、今のようにうまくかみ合うようになったのは、3年目からだという。

 「本当に黙々料理をしているので。やっと、次はこう動くかなというのが読めるようになりました」と真知子さんがにこにこしながら教えてくれた。

 共に店を営むことに不安はなかったかと、真知子さんに意地の悪い質問をしてみたところ、… 続きを読む

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松岡 芙佐江

松岡 芙佐江

フードライター

フードライター歴12年。グルメ雑誌編集部勤務を経て独立し、フリーランスに。居酒屋からフレンチ、イタリアンまで、店舗紹介記事や食べ歩きルポを執筆。企業誌で、スイーツのレシピ記事なども担当している。

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