読んで学べる!大人のための歴史マンガ入門(第3回)

『キングダム』~春秋戦国を舞台にした作者の巧みさ

2015.08.31 Mon連載バックナンバー

 始皇帝による中華統一戦争をテーマにしたマンガ『キングダム』が人気だ。これまでもマンガ読みには知られた作品だったが、今年5月にTVのトークバラエティ『アメトーーク』(テレビ朝日系列)で取り上げられ、さらにその知名度を広げた。アニメ(NHK系列で放映)やゲームなど、人気マンガらしいマルチメディア展開もしている。近年の歴史マンガで最大のヒット作であることは疑う余地がない。

 舞台は中国の春秋戦国時代。その最末期に中国を統一した秦王・政(のちの始皇帝)と、統一戦争で武功をあげた武将・信(史実では李信)の2人を軸に物語は進む。

 なぜ、日本では決して馴染み深いとはいえない春秋戦国時代と始皇帝を作品のテーマにしたのか。本作が連載デビューとなる作者の原泰久は、「『三国志』はやり尽くされた観がある。始皇帝ならほとんど描かれていないので主人公にできると考えました」と語っている(『pen』No.387 2015より)。

 確かに、春秋戦国時代を舞台にしたマンガ作品はほとんどないが、一方で読者がその時代の知識を持たないというのは、歴史マンガにおいては圧倒的なハンディキャップとなる。『キングダム』はそんなハンデを軽々と乗り越え、大ヒットを記録しているのだが、その面白さはどこにあるのだろうか。

 

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かみゆ歴史編集部

かみゆ歴史編集部

歴史コンテンツメーカー

歴史関連の書籍や雑誌、デジタル媒体の編集制作を行う。ジャンルは日本史・世界史全般、アート、日本文化、宗教・神話、観光ガイドなど。おもな編集制作物に『日本の山城100名城』(洋泉社)、『一度は行きたい日本の美城』(学研)、『戦国合戦パノラマ図鑑』(ポプラ社)、『系図でたどる日本の名家・名門』(宝島社)、『大江戸今昔マップ』(KADOKAWA)、『国分寺を歩く』(イカロス出版)など多数。お城イベントプロジェクト「城フェス」の企画・運営、アプリ「戦国武将占い」の企画・開発なども行う。公式サイトはwww.camiyu.jp

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