自動車業界の最新トレンドを追う(第8回)

「税」が「軽」に影響。4・5月販売台数ランキング

2015.06.22 Mon連載バックナンバー

 今年1月に閣議決定された、平成27年度税制改正大綱に“新エコカー減税制度”が盛り込まれ、自動車の燃費基準が今年4月から大きく変わった。同時に、これまでの「平成27年度燃費基準」は、「平成32年度燃費基準」に改められ、自動車取得税、同重量税の減税対象となっていた車種が大幅に減った。

 加えて、軽自動車税増税に伴い“軽自動車エコカー減税”が施行。これらの自動車関連の税制改正が、自動車販売台数ランキングにも影響を与えている。

 

軽自動車税の増税により、軽の販売台数は減少傾向

 全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した、4月に国内で売れた軽自動車の新車(乗用車)は9万3,134台で、前年同月比73.1%、台数で3万5,205台も減った。5月も大幅減の傾向に変化はなく、新車の販売は9万8,660台(前年比78.5%)、2万7,057台の減少だ。

 この台数減は、今年4月から軽自動車の新車を対象に、軽自動車税をこれまでの7,200円から1.5倍となる1万800円に増税された影響と見られる。軽自動車税は、毎年4月1日時点に当該自動車を所有している者に課せられる税のこと。2015年4月以前に登録された軽自動車は、初年度登録から13年間は7,200円、それ以降は約20%増税となるが、それでも1万800円よりも安い税額で済む。

 前年度からの落ち込み幅は、東日本大震災後の2011年5月に記録した前年比74.6%以来の大きさ。今年3月の販売台数と比較すると半分近い減少となる。昨年は、消費税引き上げ前の駆け込み需要をメーカー側が3月中にさばききれず、販売が4月にずれ込む例が多かったため、4月としては過去最高の販売台数だったことも大きな落差につながった。

 軽自動車税の引き上げの影響は今後も続きそうで、日本自動車工業会は今年度の軽自動車の販売台数を前年比12.4%のマイナスと試算している。

 

 軽自動車の通称名別の販売台数ランキングで4・5月連続トップとなったのは、ホンダN-BOXで、4月に1万218台、5月は1万398台と軽自動車で唯一2カ月連続1万台超えを記録できた。2位以下は入れ替わりが激しく、4月に1万15台を売って2位だったスズキ・ハスラーは、5月に8位(7,834台)まで落ち込んだ。一方で、4月に7,432台で6位だった日産デイズは、5月に急浮上し、9,452台で2位となるなど上下が目立つ。安定して販売を維持するのはホンダN-BOXだけという現状だ。

 

登録乗用車は前年度実績を維持。環境対応車が人気

 一方、日本自動車販売協会連合会(自販連)によると、軽自動車をのぞく新車(登録乗用車)の4月の販売台数は… 続きを読む

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吉田 恒道

吉田 恒道

フリージャーナリスト&エディター

大学卒業後、世界のモード界を取材するファッション誌編集部でキャリアをスタート。自動車専門誌副編集長、男性ライフスタイル誌の編集長を複数務めた後、独立。フリーランスのジャーナリスト&エディターとして活動。近著に『シングルモルトの愉しみ方』(学習研究社)があり、2015年3月に電子書籍としても発売される。

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