自動車業界の最新トレンドを追う(第5回)

トヨタに挑む、新型「ステップワゴン」の魅力とは

2015.05.20 Wed連載バックナンバー

 2015年の新型車発表が大幅に後ろへずれ込んだホンダ。3月にフルモデルチェンジするはずだった同社を代表するミニバン「ステップワゴン」が予定よりもやや遅れて、4月下旬の大型連休前に新型が登場した。

 ホンダは、2013年11月の東京モーターショーで、走りと燃費を高次元で両立させる新世代パワートレーン(エンジンでつくり出された回転エネルギーを効率よくタイヤに伝える装置を使った)技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY(アース・ドリームス・テクノロジー)」を活用した、小型車および中型車に最適な直噴ガソリンターボエンジン「VTEC TURBO」3基を順次開発すると発表していた。直噴エンジンとは、燃料であるガソリンをシリンダー内に、高圧で直接噴射するガソリンエンジンのことで、低燃費化にも貢献する装置のことだ。

 

トヨタに次いで、国産ダウンサイジングエンジン搭載

 この新型ステップワゴンは、そのうちの1基である1.5リッター直列4気筒直噴ガソリンターボエンジンを搭載する新型車だ。この新型エンジンは、VTECをはじめとした可変動弁機構を適用し、徹底した低フリクション化(エンジン内部の抵抗軽減)を図った新骨格直噴エンジンとなっている。これに低イナーシャ高応答ターボチャージャー(慣性が小さく、応答性に優れ、高速度駆動が可能な過給器)を組み合わせ、従来の2リッター自然吸気エンジンを凌ぐ高出力&高トルクと低燃費を両立した次世代のコンパクトエンジンを実現している。いわゆる世界的なトレンドである“ダウンサイジング”エンジンのひとつである。

 この新エンジン、そのスペックは最高出力150ps/6000rpm、最大トルク20.7kg.m/1600-5000rpmとなっている。排気量1500ccとしては、非常に強力なエンジンで、最大トルクを1600rpmという低回転域から発生する、今どきのトレンドに沿ったエンジンだ。なお、燃費は17.0km-15.0km/リッター(JC08モード)程度の好燃費となる。一方で、噂にのぼっていたステップワゴン・ハイブリッド(HV)は今回は発売されず、1年後をメドに遅れて追加されるもよう。

 このような小排気量ターボエンジンの採用は、効率を上げることはもちろんだが、室内スペースを稼ぐためでもある。エンジンを小型化することで、エンジンルームを40mm短縮し、全長を延長せずにホイールベースを35mm延ばした。これによって… 続きを読む

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吉田 恒道

吉田 恒道

フリージャーナリスト&エディター

大学卒業後、世界のモード界を取材するファッション誌編集部でキャリアをスタート。自動車専門誌副編集長、男性ライフスタイル誌の編集長を複数務めた後、独立。フリーランスのジャーナリスト&エディターとして活動。近著に『シングルモルトの愉しみ方』(学習研究社)があり、2015年3月に電子書籍としても発売される。

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