自動車業界の最新トレンドを追う(第4回)

世界一の自動車企業、トヨタがやり残していること

2015.04.27 Mon連載バックナンバー

2020年東京オリンピックへ向け、水素社会を世界にアピール

 IOC(国際オリンピック委員会)の正式な決定で、トヨタが2020年の東京オリンピックのトップパートナーとなった

 このトップパートナーとは、IOCのスポンサー契約の最上位に位置し、宣伝活動においてオリンピックのロゴマークをワールドワイドで使用できる。パートナーは1業種1社に限定され、現在コカ・コーラやマクドナルドなどの世界的な企業がパートナー契約をしている。日本企業では、パナソニック、ブリヂストンに次いで3社目だ。

 これを受けてトヨタは、東京五輪の公式車両としてMIRAI以外にも燃料電池自動車(FCV)を走らせ、水素社会の到来をアピールする。

 また、2013年の東京モーターショーで展示した天然ガスエンジンとモーターを組み合わせたハイブリットカー(HV)タクシー専用車も実用化されそうだ。

 こうしたHVやFCVをメインに技術開発を進める同社の今後は盤石に見える。しかし、このトヨタにも、世界の自動車トレンドで“やり残している”ことは、いくつもある。

 

欧州で主力のクリーンディーゼルは、今年出るのか? 

 まず、クリーンディーゼル搭載乗用車の開発で、国内メーカーのマツダや欧州メーカーに大きく遅れをとっている。数年前までこの市場は低迷していたが、燃料費の安さや走りの力強さがユーザーに理解されるようになり、現在は拡大基調にある。とくに欧州では、乗用車の半数近くはクリーンディーゼル車で、メルセデスやBMWなどの高級車だけでなく、ボルボは主力車「V40」や「60シリーズ」に、独フォルクスワーゲン(VW)も人気モデルのGolf(ゴルフ)Passat(パサート)にディーゼル車を設定している。プジョーやルノーに至っては7割近くがディーゼル車だ。

 こうした事態に、ようやくトヨタも本腰を入れることにしたらしい。2015年中に発売予定の新型SUVにディーゼルエンジン搭載車をラインアップするという。これはじつに8年ぶりのことだ。

 ただし、クリーンディーゼルは高圧直噴ユニット、ターボなどの過給器、排気ガス浄化装置などの補器類にお金がかかる。トヨタをもってしても、なかなかこれらのコストが下がらないのが現状らしい。このあたりをどう解消するか、実力が試される。

 

体制が整ったダウンサイジング過給エンジンのラインアップ… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

吉田 恒道

吉田 恒道

フリージャーナリスト&エディター

大学卒業後、世界のモード界を取材するファッション誌編集部でキャリアをスタート。自動車専門誌副編集長、男性ライフスタイル誌の編集長を複数務めた後、独立。フリーランスのジャーナリスト&エディターとして活動。近著に『シングルモルトの愉しみ方』(学習研究社)があり、2015年3月に電子書籍としても発売される。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter