自動車業界の最新トレンドを追う(第1回)

トヨタとホンダが燃料電池車を開発、その違いとは?

2015.02.20 Fri連載バックナンバー

 2014年11月17日、トヨタが世界初の量販型燃料電池車「MIRAI/ミライ」を発表する前日。この日、ホンダは東京・青山にある本社で、伊東孝紳社長自ら「2015年に新型FCV(燃料電池車)を市販する」と発表した。なかなかエキサイティングなライバル同士の開発競争を垣間見せてくれた事象だ。

 

FCVに搭載される燃料電池は、通常の電池とどう違うのか

 ところで、燃料電池車(FCV/Fuel Cell Vehicle)というシステムの基本を把握している人はあまりいない。市井では、「なんだか、ハイブリッド車(HV/Hybrid Vehicle)よりもすごいエコカーらしいよ」「水素カー(自動車)でしょ」という声が聞こえてくる。

 確かに、1990年代の中盤に「ハイブリッドカーの次を担う“エコカー”の筆頭」として、自動車メーカーが「燃料電池車」をさかんに喧伝した。だが、燃料電池のシステムは普通の乾電池などとは大きく異なったものだった。

 2012年に京都の半導体メーカー・ロームが、災害時の緊急電源として開発した燃料電池についての説明が分かりやすいので引用する。

 「燃料電池は、内部に電気を蓄える乾電池などとは根本的に異なる。水素をエネルギーとした“発電機”と考えた方が分かりやすい」。子供のころに科学の実験で教わった“水の電気分解”で「水素と酸素を発生させる」のとは逆に、「水素と酸素」を化学反応させて“電気を得る”のが「燃料電池」というわけだ。

 つまりFCVとは、簡単にいうと燃料電池が発電した電気で動く電気自動車(EV)の派生モデル。外部からの充電が要らない“自ら発電するEV”といえる。

 

競うようにFCV開発を進めるトヨタとホンダ

 そもそもトヨタとホンダが競ってFCVを開発するには理由がある。… 続きを読む

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吉田 恒道

吉田 恒道

フリージャーナリスト&エディター

大学卒業後、世界のモード界を取材するファッション誌編集部でキャリアをスタート。自動車専門誌副編集長、男性ライフスタイル誌の編集長を複数務めた後、独立。フリーランスのジャーナリスト&エディターとして活動。近著に『シングルモルトの愉しみ方』(学習研究社)があり、2015年3月に電子書籍としても発売される。

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