元巨人軍・角盈男が語る、プロ野球名監督列伝(第3回)

王貞治~“世界のホームラン王”の苦悩

2014.09.19 Fri連載バックナンバー

先発完投が当たり前の時代に「鹿取・角・サンチェ」の中継ぎリレーを考案

 まるで雲の上にいるような偉大な人――。それが王貞治さんだ。現役時代は巨人の主力選手としてV9に貢献。通算本塁打868本塁打を記録し「世界の王」と評された輝かしい経歴は誰もが知っているだろう。引退後の王さんは古巣の巨人で1984年から5年間に渡って監督を務められ、自分もお世話になった。

 昔の巨人ファンの方々ならば「鹿取・角・サンチェ」と聞くと「おぉ~っ」と懐かしんでいただけると思うが、これは右腕のサイドスロー・鹿取義隆と、右腕のサンチェ(ルイス・サンチェス)、そして左腕の私で形成されたリリーフ投手のユニット名。まだ先発完投が当たり前だった時代に、試合の中盤以降を先発投手からバトンを託された鹿取とサンチェ、私の中継ぎリレーで勝ちにいくという必勝パターンを考案したのは、何を隠そう王監督だった。プロ入り前の早稲田実業時代に投手としても活躍していた王監督は「投」の面でもこうした斬新な起用法が光り、投手陣にもくまなく目を配っていただいた。

 真摯で誠実な性格。そして理想を追求し、具現化するためには人一倍の努力を怠らない。ジャイアンツの指揮官に就任した王監督は、これまで自らが実践してきたモットーを我々選手たちに教えようと常に懸命だった。

 

“世界の王”の肩書きが、選手との間に微妙な距離感を生む

 しかし……今だから明かせるが、正直に言うと、この頃の私はどちらかと言えば王監督とあまり相性が合わなかった。… 続きを読む

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角 盈男

角 盈男

元プロ野球選手、プロ野球指導者、野球解説者

 米子工業高校から三菱重工三原を経て、1976年、ドラフト第3位で長島監督率いる読売ジャイアンツに入団。その後、元祖ベースボールタレントとして活躍するかたわら、ヤクルトの投手コーチを経験し、球団を日本一にすることに貢献。また1997年、古巣・巨人の投手コーチに就任。ヤクルトの野村克也・巨人の長島茂雄両監督のコーチを経験した唯一の存在である。現在テレビでは野球評論家の傍らタレント活動としてバラエティ番組に数多く出演すると共に、講演活動、野球教室、著書の出筆など幅広く活動している。http://www.sumimitsuo.com/

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