今、これがクール!世界各国の最新夏休み事情(第2回)

断食明けたら大移動~マレーシアの夏休み

2014.08.16 Sat連載バックナンバー

 「Visit Malaysia 2014」というキャンペーンを掲げ、観光推進の年としてスタートを切ったマレーシアですが、皮肉にも3月にはマレーシア航空機370便の失踪事件、続く7月には同17便の撃墜事件に見舞われました。国民の6割強を占めるマレー系のイスラム教徒にとって、一年で最も特別な断食明けの夏休み「ハリラヤ休暇」を直前に控えた時期だっただけに、その衝撃は一層大きく、国内は大きな悲しみに包まれています。

 それでも時計の針は止まることなく、7月28日には断食明けを祝う日「ハリラヤ・プアサ」を迎えました。連載第二回は多民族のイスラム教国家、マレーシアの夏休み事情をお届けします。

 

多民族国家ならではの休日カレンダー

 マレーシアはさまざまな民族から成る多民族国家。三大主要民族はマレー系(6割強)、中華系(3割弱)、インド系(1割弱)ですが、各民族の宗教や文化、生活習慣が尊重されており、それが休日にも反映されています。国教と定められているイスラム教に加え、仏教、ヒンドゥー教、キリスト教の祝祭日も公休日となっています。

 自分が信仰する宗教の祝日には、親族が集って宗教行事に参加することが多いです。そのために都市で働く人達が高速バスや車で長時間かけてでも帰省することは、珍しいことではありません。一方で、自分には関係のない他の宗教の祝日もしっかりと休みます。買い物したり、旅行に出たりと、自由に休暇を楽しみます。

 有給休暇は法律で最低日数が定められており、たとえば勤続2年未満であれば8日、2年以上5年未満であれば12日間、5年以上であれば16日間となります。上限は企業によって異なります。民族、宗教は違っても親族のつながりが強く、宗教行事や家族の集いを重んじる姿勢は共通しているので、休むことに抵抗はなく、上司や同僚に休暇を咎められることもありません。

 

帰省&旅行ラッシュ! 断食明けのハリラヤ休暇

 マレーシアの夏休みに相当するのは、人口の約2/3を占めるマレー系の最大の祝日であるハリラヤ・プアサでしょう。ハリラヤ・プアサはイスラム教の断食月「ラマダン」明けを祝う日で、今年の祝日は7月28日と29日。多くの人がこの時期に1週間ほどの連休を取り、マレー系は田舎に帰省し、マレー系以外もここぞとばかりに国内、海外へと旅行に出かけます。この帰省ラッシュと旅行ラッシュで、高速バスターミナル、空港は混雑し、道路は大渋滞。ハリラヤの時期はまさに日本のお盆のような民族大移動状態です。

 毎年ハラリヤの時期が近づくと、ショッピングセンターには色鮮やかなマレー系の民族衣装や、華やかにラッピングされたハリラヤ用ギフトが、所狭しと並べられます。一カ月にわたる断食が明けると、人々は新調した家族お揃いのカラーの衣装に身を包み、モスクで礼拝し、家族でご馳走を囲み、ギフトをもって親戚へのあいさつ回りをします。また、夜には至るところで花火が鳴り響きます。さらに、ハリラヤ恒例の王宮や首相官邸の一般公開日には、王様や首相に会えるだけでなく、無償で食事やお菓子がふるまわれるとあって、宗教や民族に関係なく毎年多くの人々が詰めかけています。… 続きを読む

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わだ まきこ

わだ まきこ

マレーシア在住ライター

クアラルンプール在住のトランスレーター&ライター。海外書き人クラブ会員。翻訳関連の仕事から雑誌、本、ウェブコンテンツの執筆、リサーチまで幅広く担当。2人の男児子育てに体力の限界を感じながらもワーク・ライフ・バランスを目指して、子育てに、仕事に日々奮闘中。愛犬の寝息を聞きながらの仕事は何より幸せ!?

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