AKB48とアイドルの現在と未来(第2回)

AKB48はどこへ向かおうとしているのか

2014.07.16 Wed連載バックナンバー

 テレビや雑誌に「AKB48」の文字が躍らない日はない。6月7日に開催された「AKB48 37thシングル選抜総選挙」の様子はNHKがニュースで取り上げたほど。もはや社会現象ともいえそうな人気ぶりだが、その総選挙の投票資格が付いたシングル曲「ラブラドール・レトリバー」を口ずさめる人が、いったいどれだけいるのだろう。

 圧倒的な知名度を誇りながら、どこか希薄な音楽アーティストとしての存在感。このギャップが、AKB48を日本の芸能史上屈指のモンスターアイドルへと押し上げた要因であり、今後の展開をうかがうカギになっている。

 

AKB商法がもたらした存在感

 『AKB商法とは何だったのか』(大洋図書)という本がある。著者は音楽やゲームなどポップカルチャーに詳しいライターのさやわか氏。2013年6月に刊行されたが、ここにAKB48がどうしてこれほどまでに圧倒的な存在感を得るにいたったかが指摘されている。AKB商法とは一般に、CDにメンバーとの握手券や選抜総選挙への投票資格をつけることで、CDの売り上げを大きく伸ばそうとする手法をいう。

 ファンは自分が推すメンバーと握手したい、総選挙での順位を上げたいと思って、同じCDをひとりで何枚も購入する。数百枚のCDを買っては、投票資格や握手会への参加権だけを抜き取り、CDは聞かずに中古市場へと流す人もいるとか。

 こうした販売手法に対して、CDはイベントのおまけに過ぎず、音楽のよしあしで売れているわけではないのならば、AKB48を音楽アーティストとして評価するのは間違っているといった批判が、以前からある。『AKB商法とは何だったのか』では、こうした批判を承知の上で、AKB商法が生まれ、今もなお続けられているかが解説されている。

 AKB48が握手会への参加権や選抜総選挙への投票資格を付けて、CDの売り上げ記録を塗り替えていくような手法を取るのは、AKB48という存在を世の中に認知してもらうために必要な作戦だったから。ここでさやわか氏の筆先が向くのが、日本の音楽チャートに対する世間の認識だ。… 続きを読む

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産経デジタル

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産経新聞グループ各媒体のウェブサイト運営、ポータルサイト・モバイル端末などへのニュースコンテンツなどの配信を手がけています。ウェブでも国内最大級のニュースサイト「MSN産経ニュース」などを運営する産経新聞グループの記者が「Bizコンパス」のために書き下ろした、ここでしか読めない記事です。

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