広がりをみせる「プチ贅沢」(第3回)

プチ贅沢は広がるか、中間層の底上げが鍵

2014.06.27 Fri連載バックナンバー

 「安さが魅力の商品」から「高くてもほしい商品」を選ぶ〝プチ贅沢〟の台頭はバブル経済の崩壊に端を発している。バブル期にはバッグや車など海外の高級ブランド品が飛ぶように売れたが、それで日本の消費者は、伝統や技術に裏打ちされた高品質の本物に触れ、本当にいいモノの価値を実感することができた。

 だが、バブルが崩壊すると、約20年間にも及ぶ長いデフレ時代がやってきた。賃金も物価も下がるばかりのデフレ下では、少しでも安くて良い品を買って生活防衛をするしかない。その結果、日本の消費者は浮かれた消費をできるだけ抑え、自分にとって価値のあるモノ、必要なモノを見極める目を養うことになった。

 バブル期に本物の価値を知っているから、いざ購入というときには迷わずに選ぶことができる。日本人の多くは、日用消耗品はできるだけ安く購入し、節約して蓄えたお金を、節約疲れの解消も含めて自分の楽しみに使うという、賢い、そして成熟した消費者に変貌してきた。

 デフレ時代には値段が安いことが消費意欲を刺激したが、もはや安いだけでは売れない。消費者は安い品物にはそれなりの理由があることを知っている。商品の価値を正しく評価し、節約すべきところは節約して、お金をかける価値のあるモノに支出する“プチ贅沢”は今後、どう推移していくのだろうか。

 

プチ贅沢の将来で鍵を握っているのは供給側の姿勢

 費用の割に品質がいいコスト・パフォーマンス(CP)重視の消費行動から、価格が多少高くてもサービスや品質の良いモノが購入されるようになっていくためには、供給側の努力が欠かせない。

 バブル期には値段が高いだけでモノが売れたが、もはや高いだけでは売れない。消費者は供給側から出される情報をうのみにするのではなく、ネットなどを利用して自分で情報を比較して購入するかどうかを判断している。作り手にこだわりがあっても消費者に理解されなければ、いや応なく淘汰されていく。

 逆に、… 続きを読む

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産経デジタル

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産経新聞グループ各媒体のウェブサイト運営、ポータルサイト・モバイル端末などへのニュースコンテンツなどの配信を手がけています。ウェブでも国内最大級のニュースサイト「MSN産経ニュース」などを運営する産経新聞グループの記者が「Bizコンパス」のために書き下ろした、ここでしか読めない記事です。

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