ラーメン評論家・大崎裕史の「ラーメン最前線」(第63回)

惜しまれつつ閉店も見事に復活したラーメン店4軒

2016.11.17 Thu連載バックナンバー

 人気店だったのに惜しまれながら閉店してしまうラーメン店は数多い。閉店の理由もさまざまである。しかし、そんなお店の中から不死鳥のように復活するラーメン店もある。そしてその復活劇もさまざまで、まるでドラマのようだ。

 今回は劇的復活を遂げたラーメン店を4軒紹介する。

 

閉店・震災を乗り越えて地元に復活!「気仙沼かもめ食堂(JR気仙沼線『南気仙沼駅』(1.1km))

 気仙沼市の「かもめ食堂」は1942年創業の老舗。地元では誰もが知っていたシンボル的なお店だった。しかし2006年に後継者不在で閉店。建物も2011年3月の東日本大震災により全壊してしまった。

 そこで気仙沼市出身の「ちばき屋」店主・千葉憲二さんがその店の復活に立ち上がり、奔走。千葉さんにとっても「初めて食べたラーメン」が「かもめ食堂」のラーメンだったのだ。

 まずは2011年秋の東京ラーメンショーにイベント出店。続いて2012年2月に新横浜ラーメン博物館(ラ博)に出店。2015年4月にラ博を卒業し、2015年11月19日に気仙沼市で9年ぶりに復活オープンを成し遂げた。

 私も行ってみたが、家を出てから店に着くまでに5時間半。しかも駅からは徒歩では行けないのでタクシーを利用した。店は港が見下ろせる小高いところにあった。昔の「かもめ食堂」は写真でしか見たことがないので、外観の比較しかできないが、かなり立派になっていた。席数もカウンター8席、テーブル22席と合計30席。

 ラーメンは700円。私が食べたのはそこにワンタンと半熟味玉をトッピング。そしてサイドメニューのかもめメンチカツ220円の計1,220円。ホントは複数で来て、いろいろ頼んでみたかったが、なんせ日帰りの一人旅。

 ラーメンはラ博時代よりも、いい意味でさらに地方っぽくなった印象。細めの縮れ麺が個人的に好み。スープは今風の洗練された感じではなく、あえての昔懐かしい味。地方に来たら、こういうラーメンが食べたい。そういう意味ではとっても良かった。メンチカツも旨い。カレーライスもあり、きっと食堂風でうまいと思う。

 港で働く人にも近くの市場で働く人にも、そして気仙沼の人にも、旅行で訪れる人にも愛される店となることだろう。

 

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大崎 裕史

大崎 裕史

株式会社ラーメンデータバンク取締役会長 日本ラーメン協会理事

毎年駒沢オリンピック公園で開催されている東京ラーメンショー実行委員長。自称「日本一ラーメンを食べた男」(2016年8月で約23,000杯)として雑誌やテレビに出演。ラーメン集合施設やカップ麵などの監修も多数の実績あり。著書として「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)、「無敵のラーメン論」(講談社現代新書)、他。

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