ラーメン評論家・大崎裕史の「ラーメン最前線」(第34回)

つけ麺発祥の地?バラエティ豊かな広島ご当地ラーメン

2015.08.31 Mon連載バックナンバー

 広島県のご当地ラーメンと言えば有名な「尾道ラーメン」がある。また呉には「呉冷麺」というのもある。

 そして実は広島市内にも、そんなに知られてないが「広島ラーメン」「広島つけ麺」「汁無し担々麺」というご当地ラーメンがある。今回はその「隠れご当地ラーメン」をジャンル別に紹介してみたい。

 

「広島ラーメン」には店名に小鳥の名前が付いているので「小鳥系」と呼ぶ!

 私が広島で一番好きだった「すずめ」が今年の4月に閉店してしまった。屋台での創業が1940年代、店舗を構えてからでも60年近く。それほどの老舗の閉店は痛いし、寂しいものである。その「すずめ」に影響を受けたお店が広島には何軒もあり、「すずめ」に習って「つばめ」、「うぐいす」、「チャボ」などと鳥の名前が店名になっている。

 これほどの店が閉店してしまうと、その後はいろんな動きが出てくるものである。まずは4月、「すずめ」の閉店前に「ことり」がオープン。その名も小鳥系のそのものを店名にしてしまった。これは勇気があるというか、実に大胆な行動である。しかも店頭やホームページでは「すずめ伝承」とか「あの味をもう一度」とか、書かれているので「すずめ」の後継者かと思うほど。

 厳密に言うと、店主は「すずめ」で修業はしているものの、正式継承ではない。味も「すずめ」とは違うが、出汁やタレが強めに効かせてあって、おいしいラーメンに仕上がっている。評判もいいようだ。むしろ「すずめ伝承」などと謳わない方が受けるのではないかと思うほど。

 次に6月には「すずめ」のあった場所で「めじろ」がオープン。こちらも店名は小鳥系。店内には「すずめ」時代と「めじろ」時代に、すずめ店主と今のスタッフが一緒に写ってる写真が飾ってある。これはまさに「後継店舗」に他ならない。この「めじろ」は店に入ると「すずめ」同様に番号札を取る整理券方式を引き継いでいる。メニューも「すずめ」と同じく、中華そばのみだ(おにぎり、いなり、ビールだけ有り)。

 「すずめ」を食べてから何年も経つが、出てきた中華そばは「すずめ」を思い出させるには十分。醤油豚骨にストレートの細麺。細もやしと青ネギ、チャーシュー。「あ~確かにこんな感じだった」と懐かしくなった。しかし、開店からまだ2ヶ月だからか、あるいは午後4時頃の中途半端な時間に行ってしまったからか、「すずめ」にはもうちょっと届いてない、という味ではあった。とはいえ、それでも十分にうまいと思う。「すずめ」の正統後継店なので広島のご当地ラーメンを牽引していって欲しい。

 そしてこの7月に、「すずめの店主がラーメンで復活!」という驚きのニュースが舞い込んできた。… 続きを読む

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大崎 裕史

大崎 裕史

株式会社ラーメンデータバンク取締役会長 日本ラーメン協会理事

毎年駒沢オリンピック公園で開催されている東京ラーメンショー実行委員長。自称「日本一ラーメンを食べた男」(2016年11月で約23,000杯)として雑誌やテレビに出演。ラーメン集合施設やカップ麵などの監修も多数の実績あり。著書として「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)、「無敵のラーメン論」(講談社現代新書)、他。

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