世界遺産が世界遺産である理由(第5回)

多くの登録基準を満たす”キング・オブ・世界遺産”

2014.03.05 Wed連載バックナンバー

 “この遺跡やこの自然の、いったいどこが評価されて世界遺産に登録されたのだろう?”

 そんな疑問を持ったときにチェックしたいのが、世界遺産の「登録基準」だ。

 登録基準とは、世界遺産を目指す物件が必ずクリアしなければならない評価の物差しのこと。ここを見ればその物件のどこに世界的な価値があるのか、評価のポイントが明らかになるのだ。

 登録基準は全10項目で構成されているのだが、これまでのところそのすべてを満たす世界遺産は存在しない。最多記録は7項目で、ふたつの世界遺産が該当する。今回は世界遺産の登録基準と、その2件の「キング・オブ・世界遺産」を紹介しよう。

 

世界遺産に選ばれるための登録基準とは

 世界遺産とは、世界遺産リストに掲載されている「顕著な普遍的価値」を持つ物件を示す。そして、本当にその価値があるか否かは、登録基準に従って評価される。

 世界遺産に登録されるためには10項目からなる登録基準のひとつ以上を満たさなければならない。簡単に示すと、(i)人類の傑作、(ii)文化交流の跡、(iii)文化・文明の証拠、(iv)重要な建築物や景観、(v)環境利用の例、(vi)出来事・伝統関連、(vii)自然の美、(viii)重要な地形、(ix)進化の例、(x)重要な生息・生育地、といったところだ。
 このうち、(i)~(vi)のいずれかを満たす物件を文化遺産、(vii)~(x)のいずれかを満たす物件を自然遺産、両者をそれぞれ1項目以上満たす物件を複合遺産と呼ぶ。

 2014年3月現在、世界遺産リストには981件が登録されている。この中でもっとも多くの登録基準を満たす“キング・オブ・世界遺産”が、… 続きを読む

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長谷川 大

長谷川 大

世界遺産&旅行ライター

横浜国立大学卒業後、出版社勤務。三国志・戦国時代・幕末・ギリシア神話など、歴史ものを中心に編集・ライティングを行う。世界一周の旅を経てフリーの編集者・ライターとして活動中。これまでの訪問国数は68か国、世界遺産は182か所。All About「世界遺産」公式ガイド。http://allabout.co.jp/gm/gt/563/

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