世界遺産が世界遺産である理由(第11回)

富岡製糸場で注目! 産業遺産と新しい世界遺産

2014.05.09 Fri連載バックナンバー

 4月下旬、文化遺産の評価を行うイコモス(国際記念物遺跡会議)は、日本の世界遺産候補地「富岡製糸場と絹産業遺産群」に対し、世界遺産リストへの記載がふさわしいという記載勧告を発表した。これは事実上の内定で、6月中~下旬に行われる世界遺産委員会で正式な登録が決まる見通しだ。

 また、2015年には「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産登録を目指しており、この夏にもイコモスの現地調査が行われる。

 この2件は第9回「世界遺産の登録方法と、今後の日本の世界遺産」でも取り上げたが、共通点は「産業遺産」であること。今回は近年注目を集める世界遺産として、産業遺産・文化的景観・21世紀建築を紹介する。

 

多すぎる世界遺産と新しい世界遺産

 世界遺産の登録数に不均衡があることは第10回「なぜ世界遺産の登録数はヨーロッパに偏っているのか」で述べた。ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)はこうした不均衡に対し、1994年に「世界遺産一覧表における不均衡の是正及び代表性・信頼性の確保のためのグローバル・ストラテジー」を掲げている。

 このグローバル・ストラテジーでは以下5分野の文化遺産が「多すぎる」とされ、登録を控えるよう勧告した。

・ヨーロッパの物件
・都市と信仰に関する物件
・キリスト教に関する物件
・先史時代と20世紀以外の物件
・優品としての建築物件

 一方で、今後注目すべき新しい文化遺産として下記3分野が例示された。… 続きを読む

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長谷川 大

長谷川 大

世界遺産&旅行ライター

横浜国立大学卒業後、出版社勤務。三国志・戦国時代・幕末・ギリシア神話など、歴史ものを中心に編集・ライティングを行う。世界一周の旅を経てフリーの編集者・ライターとして活動中。これまでの訪問国数は68か国、世界遺産は182か所。All About「世界遺産」公式ガイド。http://allabout.co.jp/gm/gt/563/

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