「面白い」には理由がある!大ヒット漫画を分析(第3回)

バスケが好き!を押し通した『SLAM DUNK』

2014.01.29 Wed連載バックナンバー

 バスケットボール漫画で手塚賞入選を果たした作者井上氏だったが、初連載は全くジャンルの違う原作ものだった。当時業界でバスケ漫画はタブーとされており、編集サイドの支持が得られずそのようになったと思われるが、「バスケ漫画を描くことは自分にとって自然」と自身が語るように、「スラムダンク」で己の初心を通したのである。

 

バスケットボールというジャンル

 当時バスケットボールといえば、決してマイナースポーツというわけではなく、普通に知られている定番のスポーツであった。少女漫画に出てくる素敵な先輩はバスケ部のキャプテンやエースだった印象がある。背が高く、スマートで、泥にも汚れず、あからさまなぶつかり合いもない、そんなスタイリッシュなイメージで使われていた。

 ただ漫画においては、野球における「ドカベン」(水島新司)、サッカーにおける「キャプテン翼」(高橋陽一)のような大ヒット作がなかった。業界サイドは一般に知られていない新しいジャンルで一発を狙う面がある一方、他でコケたジャンルは「ダメ」と決めつけてしまう傾向がある。たとえば「革新的だから」「他誌でヒットしているジャンルだから」などと、「なぜこの題材なのか」を理詰めで語れなければ企画は通らない。漫画には感覚優先のイメージがあるかもしれないが、会議によって決められる以上、他者を説得できない限りGOサインは出ないのである。

 氏は編集サイドのネガティブな反応に対し「赤が好き」という読み切り作品で桜木花道という魅力的なキャラクターを作り上げて人気を取り、編集サイドを納得させ、バスケ漫画連載の道を拓いたのだった。… 続きを読む

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酒式/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

酒式/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

脱サラして漫画家を志し、週刊少年サンデーで漫画デビュー。その後さまざまに名前を変えて作品を出しながら、漫画の世界にしがみつく。日本酒党。

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